東洋紡は、岩国事業所(山口県岩国市)の自家火力発電設備を更新し、燃料を石炭から液化天然ガス(LNG)などに切り替える。2023(令和5)年10月に稼働予定で、温室効果ガスを従来排出量の約4割に当たる年間約8万トン分減らせるという。福井県敦賀市や愛知県犬山市の事業所でも順次更新を進め、国内生産拠点での石炭使用をゼロにする。
岩国事業所は使用電力の6~7割を自家発電で賄っている。新たな燃料はLNGに加え、古紙や廃プラスチックなどを原料にした固形燃料も使用する。設備投資額は約90億円で、大阪ガスの子会社と実施する。
東洋紡は50年度までに自社の排出量を実質ゼロにする目標を掲げる。将来はアンモニアや水素を燃料の一部として使う「混焼」技術なども導入したい考えだ。
竹内郁夫社長は「(二酸化炭素排出量に応じて課金する)カーボンプライシングといった制度の導入をにらむと将来のコストは下がる」としている。