出産直後、痛みこらえ資金調達プレゼン 妊婦だからってCEOをあきらめる必要はない!

前回、唐突な「暴露(笑)」に驚かれた方も多かったのではないでしょうか。

2017年5月、私には「妊娠」「出産」という現実が突如やってきました。前回はあくまで、その「ご報告」という位置づけでお話ししたので、「起業したての経営者が経験した妊娠と出産」について詳しくは触れませんでした。今回は、もっと深掘りした(生々しい(笑))お話をできればと思っております。

サービスリリースから4カ目にまさかの妊娠が発覚!

弊社のメインサービスであるクラウド受付システム「RECEPTIONIST(レセプショニスト)」は2017年1月に産声をあげました。当時、日々仕事のことばかり考えている私でしたが、仕事に邁進するためにも、プライベートを安定させたいという思いはありました。といっても「結婚」がゴールだと考えていなかったので、今の夫(当時はパートナー)とは当時、お互い仕事にコミットしつつ、時折ともにリラックスできる時間が過ごせたらいいよねというスタンスで時間を共にしていました。

ところが同年5月、サービスがリリースされて、「ここからが勝負だ! 今年も駆け抜けるぞ!!」と意気込んでいた矢先のこと。GW明けに妊娠したことが発覚したのです。

その事実に対峙した時、自分の頭に浮かんだ最初の言葉は、「どうしよう…!!」でした。そしてその一方で冷静な自分もいました。

「私は35歳。一般的には高齢出産にあたる。この機会を逃したら、一生子供を授かれないかもしれない。世の中には産みたくても産めない、妊娠したくてもできない人が多くいる中で、産まないという選択肢はないな」

とはいえ、私は会社の主。「出産する」ということは自分の人生においてだけでなく、会社にとっても重要な意思決定であることは間違いなかったわけです。

まず最初に相談すべき相手はCOOの真弓だと思いました。打ち明けるまで「彼はなんて思うんだろう…」「こんな大事な時期になんてことだって思うのだろうか」などなど、いろんなことを不安に思いながら、想像しました。

打ち明けた時、一言目に真弓が発した言葉。それは「絶対に産んだほうがいいよ!」でした。そして、「みんなで育てればいいよ。みんなで交代に抱っこしてさ」と。「なんていい男なんだ!」と思ったことは今でも鮮明に覚えています。

真弓自身も娘がおり、子育てに対する理解があったことはその後の私のどれだけ支えになったことかわかりません。関係者の方にも妊娠を報告し、本当にありがたいことに誰一人ネガティブな意見を私にぶつけた人はいませんでした。

「産む」と同時に決めた「仕事は休まない」

▼4つの決心

「産む」と決めたと同時に決心したことがあります。それは、絶対に仕事を休まないこと。辞めないこと。諦めないこと。そして言い訳にしないことです。

前回も書いたように、妊娠時にすでに起業していた当時の私には「仕事を続ける」という選択肢がありました。妊娠したときに受付嬢だったら、業務上、その選択肢を持つことはできませんでした。

続けられるという選択肢どころか、「産休」や「育休」を取らないという選択肢までありました。私は「出産前後も仕事を休まない」という選択を自分でしたのです(もちろん、健康状態に変化があれば話は別です)。

▼大きなお腹でピッチ大会に出場

幸いにも、妊娠中はつわりもなく、妊娠前とほぼ変わらず過ごすことができました。サービスリリース1年目は「ピッチ大会に出まくる!」と決めていたので、出られるピッチ大会は全部出ました。

妊娠発覚後、一番最初に登壇したピッチ大会。(筆者提供)

後半戦のピッチ大会は明らかにお腹が大きかったです(笑)。舞台上には一人ではなく、お腹の中の赤ちゃんと二人で立っていました。お腹の中で、ピッチの練習にもたくさん付き合ってくれたことでしょう。妊娠中はさすがに毎晩会食とは行きませんでしたが、それ以外のことは諦めることなくやれたと思っています。

資金調達…投資家は経営者の「妊娠」をどう評価する?

妊娠していた2017年、私たち経営陣は資金調達をしていました。

「妊娠している自分が資金調達していいものか。投資家は不安材料とみるのだろうか」

正直、こういった感情がなかったとは言えません。ただ、覚悟はあり、妊娠を理由に「投資できない」という判断をする人に株を持ってもらい、一緒に仕事をしたいかというと、そうは思いせんでした。

経営者でもありますが、一人の人間であり、女性としてこの世に生を受けているわけですから、それを否定されるのは残念です。

資金調達に奔走した結果、私の妊娠を知って検討が止まる、「投資できない」と言われることは一度もありませんでした。女性経営者の方の中には、妊娠したことに対して非常に否定的な意見をぶつけられた方もいるようです。その点、弊社は本当に温かく、寛大な方々に関わっていただいていると思います。

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