ノンアルビール、テント…巣ごもりで令和3年の輸入額過去最高に

    新型コロナウイルス禍の長期化で貿易統計にも影響が表れている。テントやノンアルコールビール、インスタントラーメンなどの輸入額は令和3年に過去最高を更新する見通しだ。3密回避でアウトドア人気が高まっていることや、飲食店での酒類提供自粛に伴う代替需要などが背景にある。

    テントの輸入額は3年1~11月の累計で174億8100万円に及び、既に過去最高だった2年(129億7300万円)を上回っている。コロナ禍前からのキャンプ人気に加え、3密を避けて楽しめるレジャーとして需要が衰えない。大阪税関の担当者は「(3密回避で話題となった)1人で楽しむ『ソロキャンプ』のブームが続いているのではないか」と分析する。

    一方で、ノンアルコールビールは7億7700万円(過去最高は2年の5億9300万円)、インスタントラーメンは73億8千万円(同2年の60億8700万円)とこちらも11月までに過去最高を更新している。

    ノンアルコールビールは緊急事態宣言や蔓延(まんえん)防止等重点措置の発令中、居酒屋などの飲食店が酒類を控える代わりに提供したこともあって需要が増えた。インスタントラーメンは外出が減り自宅で食事をとる「巣ごもり消費」が増えたことで、すぐ食べられる食料品として重宝されている。

    ワクチン普及でコロナ禍から復興を目指す今年も、こうした傾向は続くのか。SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「この2年で外出が減りサービス消費が減退する生活様式が定着した。巣ごもり消費や3密回避を取り込む商品の需要増は当面変わらないだろう」と指摘する。(永田岳彦)


    Recommend

    Biz Plus

    Recommend

    求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)

    求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)