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コロナ、不手際…水を差された日米首脳会談

21日の日米首脳会談は、新型コロナウイルスが蔓延(まんえん)している影響で、対面形式での開催見送りを余儀なくされた。一方、在日米軍における新変異株「オミクロン株」の感染拡大も会談に影を落とす。今回の会談は、二重の意味でコロナに水を差された形だ。

岸田首相(右)と林外相=14日午前、首相官邸
岸田首相(右)と林外相=14日午前、首相官邸

首脳会談を前に外務省幹部は在日米軍のコロナ問題について「全く話をしないわけにはいかない。どういう言い方をするかというのはあるが…」と語った。

沖縄県や山口県の在日米軍基地では昨年末からクラスター(感染者集団)が発生。今月9日から蔓延防止等重点措置が適用されている。林芳正外相も「米軍区域内の感染状況が周辺自治体における要因の一つである可能性は否定できない」と認めた。

日米地位協定と関連の日米合意では、米軍人らが基地から入国する場合、日本の法令は適用せず、検疫は米軍が行うとしている。日米はコロナ禍を受けて対応のレベルをそろえることで合意し、一昨年7月に共同声明を出した。

ところが米軍は昨年9月から日本へ出発する際の出国時検査を免除。日本政府は昨年末に米軍での感染拡大が表面化した後、免除の事実を把握した。日本側の求めに応じた基地からの外出制限措置は今月10日になってからだ。

こうした不手際は野党や反基地派の餌食となった。沖縄県の玉城デニー知事は「日米地位協定がもたらす構造的な問題だ」と主張。立憲民主党の泉健太代表も「少なくとも検疫は国内ルールを守ってもらう形に変えるべきだ」と語る。

政府内にも「米側に遠慮して厳しくコロナ対策を求めなかった結果、日米同盟の信頼を傷つけた」と批判する声がある。在日米軍兵士のコロナ感染で隔離措置が取られ、軍事的即応性が落ちることにもつながる。

今回の会談は、中国をめぐる戦略調整が中心的議題となり、ウクライナや北朝鮮をめぐる情勢も緊迫する中で行われる重要な会談となる。こうした議題に費やす時間が在日米軍のコロナ対策に奪われるとすれば、同盟の損失と言わざるを得ない。(杉本康士)


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