「職場に迷惑かも…」男性の育休、上司は賛成も取得できないさまざまな理由

    新型コロナウイルス感染拡大に伴いテレワークが普及し、大手企業を中心に副業の解禁や週休3日制の導入が進むなど働き方が多様化する中、男性の育児休暇については取得に踏み出せない実態があることが、転職サービス「doda」などを運営するパーソルキャリアの調査で分かった。育休を取得すること自体には賛成の声が上がる一方、実際に休みをとったという人は少なく、「収入」と「業務調整」両面での不安が根強い現状が浮かび上がる。

    男性の育休取得を妨げる要因になっていることは何なのか ※画像はイメージです(Getty Images)
    男性の育休取得を妨げる要因になっていることは何なのか ※画像はイメージです(Getty Images)

    「男性の育休取得」男女間で若干の温度差

    子供がほしいという20~50代の社会人男女1675人を対象としたアンケートで、男性に将来育休を取得したいかを聞くと、休暇に対して前向きな「必ず取得したい」(27.6%)「できれば取得したい」(52.4%)との回答は合わせて80.0%だった。子供がほしいというだけあって、仕事を休んででも子育てに協力しようという意思を持った男性が多いことがうかがえる。

    (パーソルキャリア調べ)
    (パーソルキャリア調べ)

    一方、女性に「将来の夫にどうしてほしいのか」尋ねると、育休を「必ず取得してほしい」(16.1%)「できれば取得してほしい」(52.8%)と取得を希望している人は68.9%で、男女間で11.1ポイントの差が生じる結果となった。

    夫婦で協力して子育てをする上で、男性の育休取得は望ましいことのようにも思えるが、育休の取得に消極的な意見が出る背景にはどんな事情があるのか。アンケートでは、育休の取得に際して不安に思うことを複数回答で聞いた。

    その結果、男女ともに最も多く上がった心配事は「収入が減るかもしれない」で女性の約半数、男性の4割が答えた。次いで多かった回答も、男女で同じく「配偶者・上司・部下・同僚・勤務先などに迷惑をかけるかもしれない」で4割弱。その他「勤務先での評判が悪くなるかもしれない」「昇進・昇給が難しくなるかもしれない」「業務の引き継ぎが大変そう」などが挙げられた。育休による収入減や、業務調整など仕事面での心配事が重なっている現状がうかがえる。

    同社によると、男性の育休推進には国の法改正や企業の制度の見直しなどの「環境整備」に重きが置かれている傾向にあるのだという。しかし、今回の調査結果から、最も必要な支援は「収入面」でのサポートとも言えそうだ。


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