<独自>航空脱炭素化へ推進計画策定へ 国交省、民間など連携促す 今国会に改正案

    航空分野の脱炭素化に向け、政府が航空会社や空港管理者に「推進計画」の策定を促す方針であることが22日、分かった。国から計画の認定を受けた場合、法律で規定された関連事業者による協議会のもと、一体的に取り組みを進めやすくなり、国有の施設や土地を特例的に活用できるなど優遇措置も受けられる。関連業界の連携を促進し、脱炭素化の取り組みを加速するのが狙い。航空法などの改正案を今国会に提出する。

    航空業界の脱炭素化をめぐっては、国際民間航空機関(ICAO)が2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロとする目標を設定。廃油や植物などからつくられる環境にやさしいとされる「持続可能な代替航空燃料(SAF)」の活用促進をはじめ、多くの取り組みの加速化が喫緊の課題となっている。

    改正案では、まず国土交通省が航空分野全体の脱炭素化を計画的に進めるための基本方針を策定する。

    基本方針を受け、空港会社や自治体といった空港管理者が、航空会社や給油事業者、再生可能エネルギー関連事業者などで構成する協議会を組織し、さまざまな省エネ策を明記した推進計画を作成。取り組み例としては、空港で使用する電力を賄うための太陽光発電設備やSAF給油設備の整備などが挙げられる。

    計画が認定されれば、空港内で国が所有する施設や未利用地に太陽光パネルを設置するといったことも可能になるという。

    また、航空会社もSAF導入の取り組みなどをまとめた推進計画を作成。国の認定を受けると、空港管理者への協議会設置要請や協議会加入が可能となり、これまで個別に進めていた連携化を容易に図れるなどのメリットが生じる。

    現在、SAFは国内需要の全てを海外製に依存。欧州では既に使用を義務付けている国もあるほか、将来的には海外の航空会社がSAFを給油できない空港への運航便を減らす可能性もあり、国産化は急務だ。製造以外にも給油設備の整備など、検討すべき事項は多岐にわたっており、対応の遅れは競争力の低下につながる恐れがあるという。

    国交省関係者は「ばらばらでの取り組みでは脱炭素化は進まない」とした。


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