埼玉県秩父地方の「三大氷柱(ひょうちゅう)」として知られる秩父市の「三十槌(みそつち)の氷柱(つらら)」、横瀬町の「あしがくぼの氷柱(ひょうちゅう)」、小鹿野町の「尾ノ内氷柱(つらら)」が見頃を迎えている。この冬は冷え込みが厳しいことから見栄えの良い氷柱ができあがっているといい、地元の観光協会などは新型コロナウイルス感染防止対策に配慮し、多くの観光客が訪れることを期待している。
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「三十槌の氷柱」は秩父市・大滝地区の荒川沿いの崖に垂れ下がるように形成されている。岩清水でできた天然のもの(幅約30メートル、高さ約10メートル)と、その上流の崖に水を流して作った人工のもの(幅約55メートル、高さ約25メートル)がある。
秩父観光協会大滝支部の担当者は「今シーズンは氷柱が太く、ここ最近で一番のでき」。夜間はライトアップされており、24日夜にさいたま市大宮区から訪れた50代男性は「初めて来たが、幻想的でとても雰囲気がいい」とうっとりとした様子だった。
2月23日まで公開し、夜間ライトアップは同20日まで行う。
「あしがくぼの氷柱」は西武鉄道芦ケ久保駅近くの山林に位置する。上流の沢の水をスプリンクラーなどで散水し、幅約200メートル、高さ約30メートルの氷柱を作り上げている。
「今冬の氷柱は広範囲で厚みがある」と横瀬町観光協会の担当者。夫と一緒に24日に足を運んだ東京都八王子市の50代女性は「日光が当たってとてもきれい。想像していたものより立派で素晴らしい」と話した。
公開は2月23日まで。感染防止対策として1時間ごとの入場者を500人程度に抑えている。土日祝日の夜間はライトアップを行うことに伴い予約制とする。
「尾ノ内氷柱」は、両神山を源流とする尾ノ内沢から約500メートルにわたってパイプを引いて散水して作られたもので、幅約250メートル、高さ約60メートルに及ぶ。
西秩父商工会の担当者によると、今シーズンは例年よりも氷に厚みがあり、訪れた人に好評という。2月27日まで公開する。(中村智隆)