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「南部美人」の新しい純米吟醸酒 名付けとラベルは一戸高校生

岩手県立一戸高校2年 村里和香さん(17)、田口実憂さん(17)、大道咲さん(17)

(左から)「一吹」のネーミングを考えた田口実憂さん、リーダーの村里和香さん、ラベルをデザインした大道咲さん=岩手県庁(石田征広撮影)
(左から)「一吹」のネーミングを考えた田口実憂さん、リーダーの村里和香さん、ラベルをデザインした大道咲さん=岩手県庁(石田征広撮影)

岩手県内陸北部の一戸町が昨年7月末、一躍脚光を浴びた。町内の御所野遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されたからだ。これを機に同町産の米「いわてっこ」と奥中山高原を抱く西岳の湧水で仕込んだ純米吟醸酒「一吹(いぶき)」が昨年暮れに誕生した。一役買ったのが地元、県立一戸高校のラベルデザインチームだ。

メンバーは11人。生徒会長でリーダーの村里和香さん(17)とネーミングを考えた田口実憂(みう)さん(17)、ラベルをデザインした大道(だいどう)咲さん(17)の3人は昨年12月10日に関係者と達増拓也知事を訪ね、「一吹」の販売開始を報告する大役も担った。

「一吹」の仕掛け人は、一戸町の隣、二戸市の蔵元「南部美人」の久慈浩介社長(49)。同社長で5代目となる久慈家は本家が一戸町で醤油を醸造していた。南部美人は本家から独立した初代が明治35(1902)年に醤油の発酵技術を生かして二戸市で創業した一戸町ゆかりの蔵元だ。

久慈社長は地元産にこだわった酒造りで知られる。地元の酒米「ぎんおとめ」を使った南部美人の特別純米酒は平成29(2017)年、世界最大規模のワイン品評会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」の日本酒部門で、出品1245点の中から最高位のチャンピオン・SAKEに輝いている。

世界文化遺産登録で、来町する観光客向けに地元の特産品となる日本酒づくりを久慈社長が提案。昨年8月に一戸町を通じて一戸高校に協力依頼があり、上野光久校長が「生徒の学びにつながる。町のためにもなる」と快諾し、校内公募で生徒11人のチームが発足した。6人がネーミング、5人がラベルデザインに知恵を絞ってきた。

全くの初体験に暗中模索の日々が続いたが、野球部のマネジャーも務めるリーダーの村里さんの自由に意見が言える環境づくりが功を奏し、販売開始に間に合わせた。

バスケット部に籍を置く田口さんは「『一吹』は一戸町の一と町を知ってもらう風を吹かせたいとのイメージ。選ばれたときは2点差で迎えた試合終了間際に逆転の3点シュートを決めて勝った最高の気分でした」と笑う。美術部に所属する大道さんは「一戸町の良さを出せるかなと星空のもとの高森高原の風車やスキー場をイメージしてデザインしました。これまでの最高傑作になりました」と目を輝かせた。

「最高のラベル」と絶賛した久慈社長は、今後も「一吹」の名はそのままに、毎年ラベルデザインを同校に依頼する予定という。「この作業を通じて一戸町の良さに気づいた」と村里さん。3人は「達成感がものすごかった。これを伝統にしてほしい」と口をそろえた。(石田征広)


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