先日、会議をやった後に罪悪感を覚えるという若者に会いました。特にオンラインの会議で、いわゆる「機微」「配慮」が伝わりにくい場合にそう感じることが多いそうです。相手の言っていることが納得できなかったり、効果がないのでは、と感じた時に「でも」から入ってしまう。「それって効果薄くないですか?」「今回〇〇先生に頼んでもあの人、知名度低すぎませんか」などと正論ではあるものの、相手を否定したことを会議後に後悔するのです。
会議後に後悔しないためのポイント
もちろん、会議の他の参加者も、この若者が言っていることの方が利はあると感じているのですが、「言い方があるでしょうよ」「あなたが元々アイディアを出したわけではないのに否定から入るのはどうかしら…」と思っているのでは、と自己嫌悪に陥るようです。
というわけで、今回は「会議後に後悔しない会議術」について考えてみます。意識が低いと言われそうですが、私は「波風立てて90点取るよりは、波風立てずに75点ぐらい取る方がいい」と常に考えています。結局、仕事は人間関係が大事なわけであり、「忖度」「配慮」「寸止め」も案外重要なのでは、と思っているからです。一方、サラリーマンもののドラマを見ると、登場人物はこんな感じです。
・自分の正しいと思うことを主張する
・たとえそれが人間関係の悪化に繋がるとしてもその信念は曲げない
・時には罵り合いや強い調子での命令、怒りの表明などもする
・その主張により相手が改心するか、納得するか、あるいは完全に決別する
・いずれの結果になろうともプロジェクトは大成功を迎える
・一切折れず、ブレなかった主人公は高く評価され、次の難題に挑んでいく
このように、とにかく正義感が強くプロジェクトの大成功を目指すのです。ただ正直、もらえるギャラ・給料が同じなのであれば、人間関係が悪化してプロジェクトから外される方が、その後の自身の生活にとっては悪影響と言えます。
よって、私の会議の基本的な取り組み姿勢は以下になります。
・自分の知見と成功体験はキチンと話す
・仕事全体の成功は75点ぐらい取れれば良いと割り切る
・ただし、自分の評価を下げることについて異論は挟む
・それでも相手が変わらない場合は「一応言っておいた」という証拠は作っておく
・途中、自己主張の激しい人のアイディアで走って失敗が見えてきたとしても責めない
・なんとか修正、改善できるかのアイディアは出す
・あくまでも「和を以て貴しとなす」を重視する