群馬県の山本一太知事は26日の定例会見で、新型コロナウイルス感染が学校現場で広まっているとして、県立学校の部活動を28日から休止すると発表した。学校でのクラスター(感染者集団)発生が相次ぎ、感染の低年齢化が顕著となっている。県は通常の教育活動は続けながら部活動の制限により感染抑制を図る。
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山本知事は部活動制限について、「体育館など屋内活動や対外試合、部活動後の歓談などの場で感染が広がっている」と指摘した。休止期間は蔓延(まんえん)防止等重点措置期限の来月13日までとする。市町村にも県に準じた対応を依頼していく。
県によると、新規感染者数は今月5~11日の1週間は計525人だったが、新変異株「オミクロン株」の蔓延を背景に19~25日は計4455人に増加。うちワクチン接種が進んでいない11歳以下と12~19歳を合わせた割合は3割以上に達し、低年齢でも感染する傾向が鮮明になっている。
小中学校などではクラスターも多発し直近1週間で計22件もの発生を数えた。25日時点で幼稚園・小中学校の休校休園は11校園、認定こども園など保育施設の休園は12カ所に上り、県は部活動制限など対策の強化が必要と判断した。
県内の感染状況は悪化しており、直近1週間平均の1日当たり新規感染者数は636・4人(25日)で、同日の新規感染者数は過去最多の973人。病床稼働率は県の警戒度「3」に該当する56・1%(同)に上昇している。
山本知事は今後について「ピークアウトは誰にも分からない」と述べ、収束は見通しづらいとの認識を示した。県内は21日から時短要請を含む重点措置が適用されたが、「現時点で十分な効果は出ていない」とも指摘した。期間延長の可能性は「状況を見極める」と述べるにとどめた。