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中国の補助金停止 オランダの大学、学問独立に懸念

オランダのアムステルダム自由大学は、学内機関「異文化人権センター」が中国から受け取ってきた補助金を差し止めると発表した。同センターが新疆(しんきょう)ウイグル自治区の人権弾圧を否定するなど、中国擁護の情報を発信してきたことが分かったため。オランダの大学では、中国が「学問の独立」を揺さぶる実態が相次いで明らかになっている。

決定は公共放送NOSの報道を受け、20日に発表された。NOSによると、同センターは2018年以降、中国の西南政法大学との協定を通じ毎年25万~30万ユーロ(約3200万~3840万円)の補助金を受け、人権セミナー開催やニュースレター発行をしてきた。

同センターのウェブサイトは昨年10月、関係者が新疆ウイグル自治区を視察したことに触れ「西側で報告されるような、ひどい状況ではなかった。ウイグル族への差別は全くなかった」と発信。同センターのトム・ズワルト事務局長は中国国営テレビに出演し、民主主義について「米欧の政治家に定義させてはならない。人権は政治の道具にされてきた」と述べるなど米欧の中国批判に反論してきた。ズワルト氏はオランダ法学の名門、ユトレヒト大学の教授。NOSのインタビューで中国共産党の主張と同じではないかと問われ「単なる偶然」と答えた。

アムステルダム自由大学は20日の声明で「『学問の独立』が守られていないと思われてはならない」と補助金停止の理由を説明。昨年の受給分を返還し、実態調査を行うとした。ダイクグラーフ教育相は報道を受け「大きな衝撃を受けた。研究機関が外国から好ましくない影響を受けてはならない。特に人権問題では、警戒が必要だ」と語った。

オランダでは昨年、北部のフローニンゲン大学が学内の孔子学院と交わした契約で、中国側が「中国法に違反し、中国のイメージを傷つけた」職員を解雇できると定めていたことが発覚。学生が大学に中国との関係見直しを求める署名運動を行う騒ぎになった。

東洋研究で知られるオランダ・ライデン大学は19年、学内の孔子学院を閉鎖した。同大のカスペル・ビッツ講師は「中国からの留学生は親睦団体に入るよう促され、中国大使館から監視されている」と指摘。担当する中国近代史の授業では、香港出身の学生が当局への通報を恐れ発言を控えることがあると述べ、大学での中国の影響力浸透に警鐘を鳴らした。(パリ 三井美奈)


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