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物価高、悪化を懸念 FRB、引き締め積極化 年内4回超利上げ観測

【ワシントン=塩原永久】米連邦準備制度理事会(FRB)が約40年ぶりの高水準となったインフレへの懸念を深めている。物価高を招く物流の停滞や供給制約が「2023年まで続く」(パウエル議長)とみて、3月のゼロ金利解除に続く利上げの加速も辞さない構えだ。金融引き締めを急ぐFRBの「タカ派」姿勢を受け、金融市場では年内の利上げが4回を超すとの予想が広がっている。

FRBのパウエル議長(AP=共同)
FRBのパウエル議長(AP=共同)

「サプライチェーン(供給網)の問題が22年中に解消するとはみていない」

パウエル氏は26日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、こう述べた。

米消費者物価指数は昨年12月に前年同月比7%台に達し、39年ぶりの高さを記録した。景気改善に伴って消費が活発化したが、物品の需要に供給が追い付かずインフレが進行。港湾などで物流が停滞し、人手不足で生産が追い付かなくなる供給網の問題も改善する兆しがみえず、物価を押し上げている。

パウエル氏は「供給網にはリスクがさらにある」と懸念を示した。新型コロナウイルス制圧を目指す中国当局が経済活動を厳しく制限し、供給網の問題を悪化させたり、ロシアによる侵攻が懸念されるウクライナ情勢の緊迫化がエネルギー価格の上昇を招いたりする恐れがあるためだ。

自動車や電子機器などの値上がりにつながる半導体不足も、「今後半年で解決できない」(米商務省)とされる。

FRBは昨年12月、22年に3回の利上げ見通しを示した。パウエル氏は「状況の悪化度合いに応じて政策対応する」と述べ、利上げ加速も視野に入れている。

政策金利に加え、資産購入で約8兆9000億ドル(約1000兆円)に膨らんだFRBの総資産を圧縮する「量的引き締め」も積極的に進める姿勢を示唆。過熱気味の景気を抑える引き締めを、政策金利と保有資産の両面で本格化させる構えだ。

パウエル氏の「タカ派」傾斜は市場の金利見通しに修正を迫っており、投資家はFRBが年内4回以上の利上げに踏み切るとの見方を強めている。米長期金利が急上昇すれば、米国に緩和マネーが大規模に還流。新興市場からの資本流出などが起き、国際金融市場が混乱する恐れも出てくる。

「インフレ退治」の金利引き上げが景気を冷え込ませる懸念もあり、慎重な政策運営が求められる。


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