まれに見る“新線ラッシュ” 2023年3月に相鉄・東急新横浜線など4路線開業

    神奈川新聞は24日、相模鉄道(相鉄)の羽沢横浜国大駅と東急東横線・目黒線日吉駅を結ぶ相鉄新横浜線・東急新横浜線が2023年3月の開業を予定していることが、関係者への取材で判明したと報じた。相鉄は2019年11月に開業した相鉄・JR直通線と、今回の相鉄・東急直通線を「都心直通プロジェクト」として位置づけ、人口減少社会を生き残るために社運をかけて進めてきた。相鉄・東急直通線は相鉄沿線から都心への通勤アクセス向上のみならず、相鉄と東急、さらに東急と相互直通運転を行う各路線と東海道新幹線新横浜駅が直結されるため、首都圏南西部の交通ネットワークが大きく向上すると期待されている。

    東急東横線・目黒線の日吉駅付近で掘削工事が進む新線の綱島トンネル(SankeiBiz編集部)
    東急東横線・目黒線の日吉駅付近で掘削工事が進む新線の綱島トンネル(SankeiBiz編集部)

    4路線のうち3路線が開業延期

    新型コロナウイルス禍以降、気が滅入るような話ばかりの鉄道界であるが、久々の大型新線開業は未来を感じさせる明るいニュースである。2022年を迎えたばかりで気の早い話ではあるが、2023年3月はJR西日本がおおさか東線の大阪(うめきた新駅)延伸開業、福岡市地下鉄が七隈線の博多延伸開業、また国内初の新設LRTとして宇都宮ライトレールの新規開業が予定されている(いずれも正式な開業日は未公表)。これはおおさか東線、横浜市営地下鉄グリーンライン、日暮里・舎人ライナーが開業した2008年3月に匹敵する、近年まれに見る新線ラッシュと言えるかもしれない。

    ただ、新線開業も裏側から見れば明るいだけの話ではない。2023年3月に開業を予定している4路線のうち、おおさか東線を除く3路線は当初の計画から遅れての開業となる。たとえば相鉄・東急直通線は着工時点では2018年度の開業を予定していた。しかし新綱島駅予定地の地質調査の結果、想定よりも地質が軟弱であることが判明。新綱島駅はトンネルを掘削するシールドマシンの発進基地を兼ねているため、駅部の工事が遅れたことでトンネル工事も遅れてしまった。その結果、鶴見川直下のトンネル掘削が、工事が制限される出水期(梅雨や台風などで増水しやすい時期)に当たってしまい、工期がさらに遅れる結果となった。

    七隈線は2020年度末の開業を目指して工事が進められていたが、2016年11月18日早朝、博多駅西口の「はかた駅前通り」で路面が大規模に陥没する事故が発生。迅速な対応により作業員や歩行者に死傷者は出なかったが、衝撃的な映像がニュースを賑わせたこともあり、七隈線の名前は知らなくてもこの事故は記憶にあるという人も多いはずだ。事故後、陥没個所の復旧や埋め戻し、再発防止のための地盤改良を行ったことで工期が1年半延び、2022年度末になったというわけだ。


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