自民党の谷垣禎一元総裁が特別顧問を務める谷垣グループ(有隣会)は27日昼、メンバーが集まる定例会合を従来の水曜から木曜に変更して開いた。自民党の派閥は毎週同じ時間帯に会合を開くため、開催曜日の移動は、掛け持ちを原則認めない「派閥化」を視野に入れた動きとみられる。過去に同じ派閥を構成した岸田派(宏池会)と麻生派(志公会)のどちらかと再合流する「中宏池会」構想への布石とみる向きもある。(石崎直人)
「何としても参院選を勝ち抜いて、岸田文雄政権を有隣会としてしっかり支えていきたい」
グループで代表世話人を務める遠藤利明選対委員長はオンラインで会合に参加し、こうあいさつした。会合には26人の会員中、14人が出席。もう一人の代表世話人である中谷元・首相補佐官は「これだけ集まってよかった」と笑顔を見せた。
グループは党内の他派閥との重複登録を認めており、森山派(近未来政治研究会)にも所属する田野瀬太道衆院議員らは同日、所属する派閥の会合に出席した。開催曜日を変えたことで、参加できないメンバーが浮かび上がったが、グループの純化が進めば、会としての結束が強まるともいえる。
グループをめぐっては、平成24年にたもとを分かった岸田派や、同じ宏池会の流れをくむ麻生派と再結集する「大宏池会」構想が取り沙汰されてきた。実現すれば所属議員は100人を超え党内最大勢力となる。
しかし性急かつ大規模な動きには慎重論も多く、グループには「中宏池会」の実現を求める声もある。遠藤氏は一連の合流話を否定するが、派閥化を視野に入れた今回の動きは、グループの将来にさまざまな選択肢を作る狙いもありそうだ。