ゾルゲ遺骨引き渡し「露の提案ない」と松野長官

    記者会見する松野官房長官=27午後、首相官邸
    記者会見する松野官房長官=27午後、首相官邸

    松野博一官房長官は27日の記者会見で、先の大戦中に日本の最高機密を旧ソ連へ伝えて摘発されたスパイ、リヒャルト・ゾルゲの遺骨引き渡しを日露が協議しているとのロシア側の報道について「日本政府としていかなる提案も受けていない」と否定した。

    ロシアの報道によると、ラブロフ外相が26日、「サハリン州南部、南クリールに埋葬し直す計画がある」と述べ、日本側と協議していると明かした。南クリールはロシアが不法占拠する北方四島を指すとされる。

    松野氏は記者会見で「現時点でロシア側から(ゾルゲの)遺骨の移転について、日本政府としていかなる提案も受けておらず、詳細についてコメントする立場にない」と述べた。

    ゾルゲは東京を拠点に活動し、日本やドイツの国家機密をソ連に伝えた。昭和16年に逮捕後、有罪判決を受け19年に死刑執行。ロシアでは英雄視される。東京都内の多磨霊園に墓がある。


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