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英国が対露の米欧共同戦線で存在感 ドイツと差別化

【ロンドン=板東和正】ウクライナ情勢が緊迫化する中、英国がウクライナへの兵器支援やロシア内部の情報収集を強化し、ロシアに対する米欧の共同戦線で存在感を示している。

英政府は欧州連合(EU)離脱後、世界での影響力拡大を目指して掲げた「グローバル・ブリテン」戦略を実践する好機とみており、ウクライナの軍備増強への支援に消極的とみられるドイツとの差別化を図る狙いだ。

英紙フィナンシャル・タイムズによると、英国は25日時点でウクライナに特殊部隊「レンジャー連隊」の専門要員約30人や対戦車ミサイル2千発を送った。ウォレス英国防相はさらなる兵器支援も視野に入れる。

ウクライナの軍事関連企業「ディフェンス・エクスプレス」の情報では、英国は2014年以降の北大西洋条約機構(NATO)加盟国からの合計を超える数の対戦車兵器を提供した。

積極的な兵器支援の背景には、他のEU加盟国に先んじてウクライナ危機に対応する姿勢を示したい思惑があるとみられる。

ドイツは26日、ウクライナに軍用ヘルメット5千個を供与すると発表し、兵器の提供を求めるウクライナに失望された。ウォレス氏は同日、「英国はウクライナには殺傷力のある防衛(武器の)支援が必要だとみている」と英独の違いを強調した。

さらに、英外務省は22日、ロシアがウクライナ政府に親露派の指導者を就任させようとしているとの情報を得たと発表。対外諜報機関、英秘密情報部(MI6)の機密情報が公表されるのは異例で、英国は対ロシアの情報戦で最前線に立つ考えだ。

英国はウクライナ危機でグローバル・ブリテン戦略を示す「好機を迎えている」(英王立防衛安全保障研究所のクラーク元所長)とみられている。

ただ、こうした英国の対露強硬路線がウクライナ周辺の緊張を高める懸念もある。フランス政府の高官らはフィナンシャル・タイムズに、英国の対応を「非常に人騒がせだ」と突き放し「われわれは慎重に対応する必要がある」との立場を示した。

ジョンソン英首相は近日中にロシアのプーチン大統領と電話会談し、ロシアに対しウクライナ国境付近に展開するロシア軍の態勢縮小や外交交渉への関与を呼び掛ける方針だ。ウクライナ情勢の緊張緩和に向け、外交で力を発揮できるかが英国の今後の評価につながりそうだ。


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