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文氏の対北融和は「水泡に帰す危機」…異例の糾弾

【ソウル=桜井紀雄】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は30日、北朝鮮による中距離弾道ミサイル発射について、国連安全保障理事会決議に違反すると指摘、文政権は発射を糾弾する声明を発表した。南北対話を重視する文政権が北朝鮮を糾弾するのは異例。文氏が政治生命を懸けてきた対北融和策が完全に頓挫することへの危機感の表れとみられる。

韓国の文在寅大統領=ソウル(聯合=共同)
韓国の文在寅大統領=ソウル(聯合=共同)

「朝鮮半島の非核化や平和安定、外交的解決に向けた国際社会の努力に対する挑戦だ」。文氏はミサイル発射を受けて国家安全保障会議(NSC)の緊急全体会議を招集し、こう懸念を表明した。文氏がNSCを主宰するのは約1年ぶり。これまでの短距離弾道ミサイルなどの発射とは軍事的緊張の度合いが変わったとの認識があるようだ。

続く大統領府の徐薫(ソ・フン)国家安保室長主催のNSC常任委員会でも、声明で「安保理決議に対する挑戦だ」と糾弾した。ただ声明は、情勢を不安定にさせる行動の中断や対話による外交的解決に応じるよう求める内容にとどまり、対立も辞さない断固とした意思はうかがえなかった。

文氏と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は、2018年には首脳会談を3度開く〝蜜月〟を誇ったが、19年の米朝首脳再会談が決裂したとたんに関係は一気に冷え込んだ。北朝鮮は、米朝の仲介役を自任した文氏に対し不信感を抱いたとみられ、文政権への非難に転じた。

今年5月に退任する文氏が最後に描いたのは、2月開幕の北京冬季五輪の機会に南北に米中を交え、休戦中の朝鮮戦争(1950~53年)の終戦宣言を行い、南北協力を再始動させる案だ。だが、北朝鮮の五輪不参加が決まった上、北朝鮮は今年に入ってミサイル発射を繰り返し、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の再開まで示唆した。韓国メディアは「文政権の朝鮮半島平和プロセスは水泡に帰す危機に陥った」と報じた。

3月の韓国大統領選を前に、野党候補は文政権のこれまでの対北融和姿勢への批判を強めており、ミサイル発射が選挙戦に影響する可能性も指摘されている


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