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新型、従来型同時並行対応へ 敵基地攻撃猶予なし

北朝鮮が30日に発射したミサイルは3千キロ以上の長射程ミサイルを高い高度の「ロフテッド軌道」で打ち上げたもので、平成29(2017)年11月以来4年2カ月ぶりとなる。通常軌道なら日本列島を圏内に収める可能性もある。北朝鮮によるミサイル発射は今年7回目だが、低い軌道を取ることで従来の弾道ミサイル防衛(BMD)の突破を目指した過去6回と異なり、今回は従来型の弾道ミサイルとなる。日本の防衛は新型、従来型の双方に対し、対応強化を迫られている。

北朝鮮は29年5月14日に中距離弾道ミサイル(IRBM)級の「火星12」をロフテッド軌道で発射。今回とほぼ同じ最高高度2千キロ超で約30分間、約800キロを飛翔(ひしょう)した。さらに同年7月に2回、11月に1回、より長射程の大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の発射を繰り返し、最高高度を徐々に高め、最終的には4千キロ超に達した。

ロフテッド軌道での発射は飛距離が出ない半面、落下速度が速いため、攻撃される側からすれば迎撃しにくい。日本のBMDの第1段階は日本海のイージス艦から発射される迎撃ミサイルSM3。最新型のブロック2Aでは高度1千キロ以上でも迎撃できるとされるが、ロフテッド軌道のミサイル迎撃が難しいことに変わりはない。

一方、北朝鮮は低高度で変則軌道を描く極超音速ミサイルの開発を進めてきた。今年に入って27日までに6回発射したミサイルはほとんどが最高高度50キロ程度と低く、防衛省が初めて水平方向への軌道を確認したものもある。

低高度で変則軌道を描く新型ミサイルは現状のBMDでは迎撃困難とされる。政府は多様化する脅威に対応できる迎撃ミサイルの開発・配備を急ピッチで進めるが、今回のような従来型の弾道ミサイルに対するBMD強化にも同時並行で取り組まざるを得ない状況にある。

BMDに詳しい航空自衛隊関係者は「相手の出方に左右されるBMDの抑止力には限界がある。『反撃能力』など新たな抑止力が必要だ」と話す。政府が検討を進める敵基地攻撃能力の保有は、一刻の猶予も許されない。(市岡豊大)

■ロフテッド軌道 通常の弾道ミサイルよりも高い高度1千キロメートル以上に打ち上げる方式。ミサイルが高高度から直角に近い角度で高速落下するため捕捉は難しく、迎撃が難しいとされる。北朝鮮が高度2千キロメートル以上で発射したのは2017年11月29日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)級「火星15」以来で4年2カ月ぶり。


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