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「明日から本気出す」問題先延ばしがさらなるストレスに 学生の“携帯電話依存”影響か 上海交通大が論文

やるべきことを後回しにしてしまう学生の「先延ばしグセ」は、携帯電話依存症によって引き起こされるストレスと密接な関わりがあることが、中国の上海交通大学体育学科の研究で明らかになった。ストレス社会、IT社会とも呼ばれる現代だが、学生への適切な指導を通じて改善を促すことができる側面もあるようだ。研究論文はデジタル領域の学術論文を掲載する電子ジャーナル「Journal of Digital Life」(ジャーナル・オブ・デジタル・ライフ)で公開されている。

携帯電話依存によって「先延ばしグセ」が誘発されるという ※画像はイメージです(Getty Images)
携帯電話依存によって「先延ばしグセ」が誘発されるという ※画像はイメージです(Getty Images)

先延ばしを誘発する「2つの要素」

「明日から本気出す」。やらなければいけないことを先延ばしにしたくなる時に口をついて出てしまうこのフレーズ。学生時代、夏休みの最終日近くまで宿題を放置したり、レポートを締切ギリギリに提出したりした人も少なくないだろう。できれば後回しにしたいものの、やらなければいけないことは分かっており、葛藤の末に「明日から本気出す」ということで納得する。早く終わらせた方が楽になるのに、なかなかすぐ行動に移すことができない「非合理的な先延ばし」。その要因は何なのか。

上海交通大学の研究ではこれを「個人が無意識のうちに明確な理由なく所定の行動を遅らせる非適応的な行動」と定義している。2013年に行われた研究によると、中国の大学生の実に85.9%が、この「先延ばしグセ」とも言える状態だったことが判明した。これは、他の社会集団と比較しても大学生に多く見られ、学業成績や人生の目標に悪影響を及ぼしているという。

論文では、この先延ばしを引き起こす要因として、若年層を中心にたびたび問題になる「携帯電話依存症」と、人間が感じる「ストレス」の2つの要素との関係性に着目している。すでに先行する研究によって、携帯電話依存症が「非合理な先延ばし」を引き起こす要因になっている可能性は示唆されていたが、そのメカニズムは十分に解明されていなかった。そのため、それら3つの要素の関係性と、携帯電話依存症から先延ばしにつながるプロセスを解明するため、研究を進めたという。

中国の大学生6220人にアンケート

実験は、中国・上海の公立大学3校に在籍する1~2年生の男女6220人を対象に実施。携帯依存症の測定には、17項目の質問について、(1)「全く当てはまらない」から(5)「とても当てはまる」の5段階に分け、アンケートで回答を募った。「携帯電話依存症指数尺度」と呼ばれる指標を用いて測定しており、この点数が高いほど、依存度が高いことを示している。

知覚されたストレスと先延ばしについても、同様にアンケート調査を実施。「ストレス尺度」「非合理的先延ばし尺度」と呼ばれる、それぞれの深刻度を計る尺度を用いて数値化した。それらの結果を、統計解析ソフトSPSS 25.0(IBM Inc., Chicago, IL, USA)とPROCESS 3.5(IBM Inc.)を使って分析した。

回答結果を集計・分析した結果、携帯依存症は非合理的な先延ばしにつながる重要な要素となっており、知覚的ストレスを引き起こす原因にもなっていることが判明したという。さらに、先延ばしにしてしまう要因にはストレスが深く関わっていることも分かった。つまり、やるべきことを後回しにして携帯電話に依存している人が、ストレスを感じることによって、さらなる「先延ばし」が発生するという、ストレスが2つの行動の媒介的な役割を持っていることが示されたのだ。


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