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【主張】メガ太陽光へ警鐘 里山破壊に歯止めかけよ

埼玉県小川町で計画されている大規模太陽光発電所(メガソーラー)の環境影響評価(アセスメント)で、山口壮環境相が民間業者による計画の「抜本的な見直し」を求める意見を萩生田光一経済産業相に提出した。

意見が反映されない場合には「事業実施を再検討することを強く求める」という厳しい内容だ。

問題のメガソーラー(出力3万9600キロワット)は、山の一部を含む起伏のある土地(86ヘクタール)での建設を目指している。

造成には大規模な盛土を伴い、その半分の35・5万立方メートルの土砂は、建設コスト削減のために外部から搬入する計画だ。しかも以前の盛土で斜面崩壊が起きた地点が新規盛土計画地の一部に含まれているという。

土地の改変だけでなく、広範囲の森林伐採で、里山の生態系の攪乱(かくらん)も危惧される。メガソーラー予定地内や周辺は、猛禽(もうきん)類のサシバの営巣地だ。この地域に計画通りのメガソーラーを建設するプランには無理が多い。

国内のメガソーラーは、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が導入された10年前から爆発的に増加した。適した平地はあらかた利用され、残るのは人里に近い山地などだけになっている。

二酸化炭素の吸収源であり、生物多様性の場でもある森林などを犠牲にするなら、グリーンでもなければエコからもほど遠い。

環境省は令和2年4月から出力3万キロワット以上の太陽光発電をアセスメントの対象にしており、今回の小川町での計画は、国から警鐘が鳴らされた初めての例だ。

業界に環境保全意識の高まりを促す一定の効果は期待できよう。だが、山野の開発は続くはずだ。日本は二酸化炭素の46%削減を世界に公約しているが、期限は8年後に迫っている。間に合わせるには短期の建設が可能なメガソーラーに頼ることになるからだ。

地球環境を守ろうとして国土の自然を踏み台にする矛盾の抜本的な解決策は、電源比率で6%に落ち込んでいる原子力発電の復活をおいて他にない。

現今の国際情勢では、原発の再稼働が遅れるほど国内の電気料金は上がり、家計の圧迫と産業競争力の低下を招く。岸田文雄首相の政治主導で、海外でも進む原子力回帰に舵(かじ)を切る時だ。このままでは国も破れて山河もなくなる。


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