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JR東海の「京都、行こう。」 今冬は「ととのう」

四季折々の美しい寺社や庭園、昔ながらの街並み…。こんな京都観光のイメージが変わるかもしれない。京都の趣ある風景を売りにしたポスターで知られるJR東海の旅企画「そうだ 京都、行こう。」が今冬、「禅と湯 ととのう京都」をテーマに採用した。禅寺とともに提案するのは、今も街に多く残る昔ながらの銭湯。古都のイメージを刷新した企画に、新型コロナウイルス収束後を見据えて熱い視線が注がれている。

マジョリカタイルや透かし彫りの欄間、彫刻が出迎える船岡温泉の脱衣場。国の登録有形文化財にもなっている=京都市北区(そうだ 京都、行こう。PR事務局提供)
マジョリカタイルや透かし彫りの欄間、彫刻が出迎える船岡温泉の脱衣場。国の登録有形文化財にもなっている=京都市北区(そうだ 京都、行こう。PR事務局提供)

《冬の京都で「身も心もととのえる」旅へ。》

キャッチコピーとともに、座禅場や雪化粧の枯れ山水が写るポスターの中でレトロなたたずまいで異彩を放つのが、大正12年創業で、脱衣所と浴場が国の登録有形文化財の銭湯「船岡温泉」(京都市北区)だ。

唐破風の屋根にかかったのれんをくぐると、明治期に普及したモザイク模様のマジョリカタイルの壁が出迎える。脱衣所では京都三大祭りの一つ「葵祭」などの情景を透かし彫りした欄間や、牛若丸と鞍馬天狗(てんぐ)の彫刻が入浴客を見下ろす。浴場までの渡り廊下には昭和7年まで市内で現役だった石橋が使われ、湯につかりながら歴史も楽しめる。

 国の登録有形文化財となっている船岡温泉の浴場。レトロな雰囲気が漂っている=京都市北区(そうだ京都、行こう。PR事務局提供)
国の登録有形文化財となっている船岡温泉の浴場。レトロな雰囲気が漂っている=京都市北区(そうだ京都、行こう。PR事務局提供)

企画では寺院や飲食店とともに、船岡温泉など地元で愛される市内の銭湯9軒を紹介。船岡温泉の経営者、大野義男さん(88)は「コロナ禍で客は減っているが、企画の影響力で収束後に戻ってくれたら」と期待する。

首都圏を中心に知られる「そうだ 京都、行こう。」は平成5年に始まって以降、清水寺や金閣寺などの寺社に焦点を当てたものが大半だった。ただ、京都には何度も訪れる旅行者も多く、さまざまな角度からの旅の提案が欠かせない。

こうした中で、今季着目したのは銭湯。「新型コロナウイルス禍で疲弊する中、身も心もととのう旅の提案が狙い」と、JR東海の担当者は説明する。100軒超の銭湯が営業する京都府内は、銭湯の数としては東京の4分の1ほどで、決して多くはないが、「京都の銭湯は特徴的なものばかり。京都の新たな魅力を再発見するきっかけになれば」と担当者。

企画は3月13日まで。ただ、新型コロナの感染拡大が続いていることから、JR東海は「行政による移動自粛の最新情報や各施設の営業情報を確認してほしい」としている。

サウナ併設が8割超

テレビドラマの影響などで、今は空前のサウナブーム。「サウナー」と呼ばれる愛好者から「聖地」の一つとされているのが京都だ。今冬のJR東海の旅企画「そうだ 京都、行こう。」もこうした背景に後押しされており、担当者は「個性に富んだ銭湯だけでなく、人口に占めるサウナの割合が大きいことも魅力」と語る。

京都府内では、銭湯の組合に加盟する108軒のうち、サウナも併設する施設は8割超に上る。京都駅の北約1・5キロの五香湯(京都市下京区)は80度と90度と2つのサウナを楽しめるほか、一般的な温度が90度とされる中で115度の高温サウナを備える白山湯(同区)など、入浴客を楽しませる趣向も随所にみられる。

銭湯でサウナを利用するには追加料金がかかる場合が多いが、京都では入浴料(450円)のみで利用が可能。手ごろにサウナも楽しめることも魅力の一つだ。

ととのう-。サウナで究極のリラックス状態になることを示し、昨年の流行語大賞にもノミネートされたサウナーの決まり文句。日本サウナ・スパ協会(東京)によると、サウナと水風呂の交代浴による血管の拡張・収縮は、ストレスの解消や疲労回復にも効果があるという。新型コロナウイルス禍で長引く自粛生活の気分転換になりそうだが、水分をこまめに取ることや、飲酒したときは入らないといった注意も必要だ。(鈴木文也)


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