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北海道百年記念塔の解体 再検討の余地はないのか

北海道が平成30年12月に決定した北海道百年記念塔(札幌市厚別区)の解体で、複数の市民グループが反対を訴え続けている。テーマはただ一つ、「第3者の再検討」だ。取材を重ねていくと、ルールに基づく手続きは進められたが、検討に必要な情報が周辺住民にさえ事前に十分に届いていなかった状況も浮かび上がる。解体は決定事項とする道のスタンスに関係者の間には焦燥感も広がりつつある百年記念塔。再検討の余地は本当にないのか―。

北海道百年記念塔=令和3年9月10日、札幌市厚別区(坂本隆浩撮影)
北海道百年記念塔=令和3年9月10日、札幌市厚別区(坂本隆浩撮影)

内訳示されないまま

北海道百年記念塔は昭和43年に着工し、45年に完成した。鉄トラス構造、外装には耐候性鋼板を採用し高さは100メートル。空に向かって無限に伸びていく2次曲線のフォルムが特徴で、未来を創造する道民の決意を示すモニュメントとして長年愛されてきた。

建設から40年を過ぎたころから、付属物の落下など老朽化が問題になり、道が平成28年以降、ワークショップやアンケートなどを通じて道民の声の聴取を始め、道議会にも諮った。その結果「利用者の安全性確保と維持コストに対する将来世代への負担軽減の2つの観点」から、30年に解体を正式に決めている。

道は存廃の是非を検討する際、塔を維持した場合と解体した場合の両方のコストを示している。このうち「維持」の期間は塔が100年記念事業で着工してから、ちょうど半世紀の節目だったことから50年間に設定。その額をみると「維持」が最大で総額28億6千万円、「解体」は4億1千万円とした。さらに直近の人件費などを加味した昨年12月の再試算では「維持」が約30億7千万円、「解体」は7億2千万円に増えた。

なぜ、この総額になったのか。道は「内訳の数字はあるが公表していない。情報開示請求があれば出す」とし、こうした公表方法は慣例的なものと強調する。

これに対し市民グループは「内訳が細かく記されていればコスト削減案を提示できたかもしれない」と総額表記のみで検討されたことに疑問を投げかけている。

建築の専門家らでつくるグループは、老朽化について「老朽化ではなく、経年変化で状態が安定化するいわゆる『鋼材の熟成』に当たる」などと反論し、長寿命化と適切な維持管理でモニュメントとして残すことができると訴える。


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