節分前に恵方巻き商戦盛況 食品ロス対策も強化

    2月3日の節分に食べる「恵方巻き」の商戦が、各百貨店で盛り上がりを見せている。新型コロナウイルス禍が続く中、自宅での「巣ごもり」需要を取り込もうと各店はユニークな商品を取りそろえる。一方で、近年は売れ残り品の大量廃棄が問題視されていることから、インターネットを利用した予約販売を強化する動きも出ている。

    カツサンドで使う四元豚を巻いた「勝巻き」。大阪の文化にちなみソースにもこだわった(大丸梅田店提供)
    カツサンドで使う四元豚を巻いた「勝巻き」。大阪の文化にちなみソースにもこだわった(大丸梅田店提供)
     大丸梅田店が売り出した豪華な恵方巻き「UMEDA福巻」(同店提供)
    大丸梅田店が売り出した豪華な恵方巻き「UMEDA福巻」(同店提供)

    恵方巻きは、その年の恵方を向き、1年の幸福や無病息災を願いながら無言で食べる太巻きずし。関西を中心とした風習だったが、コンビニやスーパーなどが販売を強化したことで全国に広まったとされる。

    高島屋大阪店(大阪市中央区)の担当者は「コロナの影響で自宅で楽しめるイベントとして注目が高まっている」と説明。「『インスタ映えする』としてSNSで発信する人が多いこともあり、近年は定番の巻きずしだけでなく変わり種も増えている」という。

    こうした幅広いニーズに対応しようと、大丸梅田店(同市北区)では海鮮をはじめ、高級肉やスイーツなど約100種類の巻物を用意。ウニやアワビ、イクラといった豪華食材を使った「UMEDA福巻」や、小食の女性や子供向けのハーフサイズ、甘党向けのロールケーキなどをそろえた。

    一方、近年問題になっているのが売れ残り品の大量廃棄だ。農林水産省は需要に見合う販売をするよう事業者に呼びかけており、関西スーパーマーケットやセコマ(札幌市)など50社超が要請に応え対策に乗り出している。このうちローソンは早期予約した人にクーポンを配り、店舗の判断で値引きも可能にした。

    政府推計によると、令和元年度の事業者と家庭を合わせた食品ロス量は約570万トンだった。これは国民全員が茶碗(ちゃわん)1杯分のごはんを1年間毎日捨て続けた量に近いとされる。

    大丸梅田店は食品ロス対策もあり、今年初めてネット予約を行った。担当者は「昨年はコロナ禍で販売量を減らしたところ売り切れてしまった。今年は販売量を昨年より2割増やしたが、できる限り売り切ることが目標」と話している。(井上浩平)


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