【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)欧州委員会は2日、地球温暖化対策に貢献する投資先として、原発と天然ガスを認定するEU法案を発表した。持続可能な経済活動として「EUタクソノミー(分類)」のリストに加える。
EUタクソノミーは、脱炭素化に貢献する経済活動を認定する制度。民間投資を誘導する狙いがあり、「グリーン・リスト」と呼ばれる。欧州委は原発と天然ガスについて、「再生可能エネルギーを基盤とする将来に向けた移行を促す手段」と位置付けている。
法案は新設原発について、2045年までに建設認可を得たものを対象とした。天然ガスについても、低炭素ガスなどへの移行措置を条件付けた。法案は今後、EU加盟国の閣僚理事会や欧州議会で審議され、最終的に決定される。欧州委は来年1月の実施を目指している。
原発の認定をめぐっては、原発新設を目指すフランスや東欧諸国が支持する一方、ドイツなど脱原発派が反対している。非原発国のオーストリアは認定を阻止するため、法的措置も辞さない構えを示した。
天然ガスについても、オランダやスウェーデンが「化石燃料であるガスを認定する理由がない」として反対を表明している。