• 日経平均26490.53382.88
  • ドル円136.08136.09

電帳法改正、インボイスが迫る経理のデジタル化 ミロク情報サービス「効率化につながる対応を」

月末は大量の領収書や請求書に埋もれ、入力やチェックで残業続き━アナログなイメージの残る企業の経理業務が、デジタル化の岐路に立っている。今年1月に改正電子帳簿保存法(電帳法)が施行し、領収書などを電子データで保存する要件が緩和された。電子保存を一部義務付ける規定は2年間の猶予措置が取られたが、2023年10月には適格請求書の発行と保管を原則7年求めるインボイス制度の導入も控え、紙から電子への移行が加速する見込み。大きな制度改正が続き混乱も予想されるなか、いかに経理のデジタル化に向き合うべきか。財務会計システムの開発・販売を手掛けるミロク情報サービス(MJS)に企業の課題を聞いた。

セミナー参加者が2倍以上の約1000人に

「電子保存が義務付けられる電子取引の範囲が知りたい」

「領収書や請求書以外にどんな書類が対象になるのか」

「改正電帳法とインボイス制度の導入に、どんなスケジュールで対応すべきか」

MJSが毎月開く改正電帳法関連のオンラインセミナーでは、企業の経理担当者を中心とした参加者から多くの質問が寄せられる。内容は改正のポイントから、具体的な処理までさまざま。セミナーでは準備スケジュールを示しながら、対応策を順序立てて分かりやすい言葉で説明し、好評を博しているという。

1998年に施行した電帳法は、法人税法などが書面を義務付ける帳簿や国税関係書類のデータによる保存を認める要件を規定。今回の抜本的な改正は、これまで求められた税務署長の事前承認を廃止し、時刻情報でデータの改ざんを防ぐ「タイムスタンプ」の付与条件を緩和した。デジタル化の進展を踏まえ、経理の電子化を促す内容だ。

税理士や公認会計士と強いネットワークを築くMJSは今回の電帳法改正前から対応した会計ソフトを展開してきたノウハウを生かし、同テーマのセミナーを昨年2月にスタートした。当初の参加者は300~400人程度だったが、改正が迫るとともに増え、10月以降は毎回1000人程度と2倍以上に膨らみ、関心の高さとともに情報不足の状況が浮き彫りになっている。

実際、データでやり取りする取引の領収書や請求書などの電子保存を義務付ける規定は、準備期間の短さを背景にやむを得ない事情がある場合に対してのみ、2023年12月31日まで猶予された。MJSは「参加者へのアンケートでは4割程度がまだ『情報収集』の段階にある。これから対応が本格化する」と語る。

電子化が本番を迎えるなか、企業の頭をさらに悩ますのがほぼ同じタイミングで導入されるインボイス制度だ。

発行事業者登録は来年3月末が期限に

「何から始めるべきか!電帳法×インボイス制度への準備セミナー」

「インボイス制度導入に向けた実務ポイント」

MJSのホームページに並ぶセミナータイトルに、今年に入って目立つのがインボイスの文字だ。同制度は消費税の仕入税額控除を受けるために、各製品にかかる税率と税額などを明記した「適格請求書」の発行、保存が必要となるもの。

企業や個人事業主は売上にかかる消費税額から、原材料などの仕入れの際に支払った税額を差し引いて納税する。この「仕入税額控除」を受ける際に、取引先からの適格請求書受領が必要になる。従来は「発行者」「取引年月日」「取引内容」「受領者」を記していたが、2019年10月の消費税率10%への引き上げで、食品などは軽減税率(8%)の適応が始まったことで記載項目が追加された。

現在は経過措置として、軽減税率の適用を示す印を付け、税率別の合計額を記す区分記載請求書が採用されている。これに対し、インボイスはより透明性を高めるため発行事業者の登録番号や税率、税額を明記したうえで、原則7年の保管を義務付ける。

同制度はデータで保管する“電子インボイス”も認める。紙の請求書は膨大な量になって保管場所の確保や劣化への懸念があるため、検索もしやすい電子保存へのニーズが膨らむ見込み。MJSは「インボイス制度がスタートすると、仕入れ先から紙の請求書を受け付けない企業も現れるのではないか」と分析する。

国税庁によると、制度導入時から適格請求書発行事業者の登録を受けるには、2023年3月末が届け出の期限となる。インボイスを発行できなければ、取引先が二重課税を強いられる恐れもある。改正電帳法に加え、インボイスへの対応を考えると電子化に残された時間は限られている。

電子書類保管サービス「MJS e-ドキュメントCloud」

大きな制度改正を控え、各企業が対応を迫られるなか、MJSは「電子化でいまの業務フローに支障をきたすのは本末転倒。効率化につながる方法が求められる」と指摘する。この考えを反映したのが、2021年12月に販売を始めた電子書類保管サービス「MJS e-ドキュメントCloud」だ。

電子取引で授受された領収書や請求書などの電子データから、取引先や取引日付、金額を登録しタイムスタンプを付与して保存。承認依頼や、一括アップロードなどの処理が可能だ。承認を受けた電子書類はクラウド上の安全なデータセンターで長期保管する。

登録はデータ入力のほか、紙の書類を読み取って文字データに変換する「OCR」とも連携。会計以外の契約書や納品書なども電子保存できる。検索性が高まり、社内で書類を探す手間が減り業務の効率化が期待できる。

クラウドサービスのため、各部門や全国の支店から登録処理できるうえ、定額料金でユーザーを無制限に設定できる。そのため経理部門をはじめ、全社的な入力作業の負担軽減が見込める。

電子書類は国内データセンターで管理し、セキュリティーや長期保管への備えは万全だ。

MJS e-ドキュメントCloudはシリーズとして、今後は契約当事者の電子署名を第三者のサービス事業者が付与する「立会人型」の電子契約サービスにも対応して対応領域を広げていく方針。MJSは「改正電帳法への対応のみならず、インボイスやテレワークなども含めて電子化に本格的に取り組むタイミングにある。今後の業務の効率化やデジタル化を視野に考えてほしい」と語った。

提供:ミロク情報サービス


Recommend

Biz Plus

Recommend

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)