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神武天皇の足跡を新作能に 建国記念の日に初演

建国記念の日(11日)、初代天皇の足跡を伝える新作能「神武」がお披露目される。作者は宝生流シテ方で、日本芸術文化戦略機構の理事長なども務める辰巳満次郎氏。日本を代表する古典芸能の能で、建国の父ともいえる神武天皇の姿を伝えたいと考えた神社本庁の依頼に応えた。辰巳氏自身が舞う初演は、明治神宮会館(東京都渋谷区)の「奉祝建国記念の日 奉祝記念行事」で行われる。

新作能「神武」を舞う辰巳満次郎氏(提供写真)
新作能「神武」を舞う辰巳満次郎氏(提供写真)

神武天皇の足跡は、北原白秋作詩の交声曲「海道東征」などで伝わるが、天照大御神が登場する「絵馬」などがある能では扱われていなかった。

「洋楽ともいえる交声曲はあるのだから、日本の古典音楽ともいえる能でも神武天皇があってほしい。神社は昔から、芸術の奉納の場でもありますから、創作の取り持ちをしようと思いました」

そう考えた神社本庁渉外部の小間澤肇部長は、大学時代の謡の師匠だった辰巳氏に相談した。

すでに「マクベス」や「オセロ」など約10曲の新作能を手がけていた辰巳氏は快諾した。

「大きなテーマですから内心では躊躇(ちゅうちょ)しましたが、最近は神武東征を知らない人も多い。東征は建国の日の起源ですから、これを文化として伝えることは大事なことだと考えました」

辰巳氏は壮大な東征の中で、熊野上陸から吉野へと進む旅路に焦点を当てた。天皇が八咫烏(やたがらす)に導かれて北上する東征のクライマックスでもある。

完成した「神武」では、熊野詣での古道で迷った旅人(ワキ)の前に宮人(前シテ)が現れ、「この苦難は神が授けたものだ」と言って消える。やがて八咫烏(アイ)が姿を見せ、神武天皇の供をした時の様子を語って那智の滝に導く。ここで神武の神霊(後シテ)が出現し、九州を出発して兄を失いながらも大和・橿原(かしはら)まで東征し、即位した物語を語り、舞う。

「おのれの道を知り、乗り越えることが生きる道なのだ。我もそれを知り、世を治めた。祈り、努力し、信念を離すな」

辰巳氏は、後シテが最後に語る詞章に、2682年前に建国した神武天皇の偉大さを知り、自分に重ねて考えてほしいという意図を込めた。

初演では、ワキは福王流若宗家の福王和幸氏が、アイは狂言方大蔵流の茂山千三郎氏が務める。能物語と呼ぶ現代語によるエピローグ・ストーリーの演出もあり、俳優の榎木孝明氏が担当する。鑑賞希望は「日本の建国を祝う会」のホームページで受け付けている。


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