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露の真意、クリミア支配永続化か ウクライナ情勢

【モスクワ=小野田雄一】ウクライナ情勢をめぐり、ロシアが北大西洋条約機構(NATO)に東方不拡大の確約などを要求した真意の一端が浮かび上がりつつある。ロシアは2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島の支配の永続化と、親露派武装勢力によるウクライナ東部の実効支配の維持を重視。要求はそれらを達成するための方策である可能性がある。

プーチン氏は1日、ウクライナがNATOに加盟した場合に起きうるシナリオとして、「NATOを背景にウクライナの右派勢力がクリミアや東部を攻撃し、ロシアは戦争に引き込まれる」と指摘。クリミアや東部が奪還される事態への懸念の強さをうかがわせた。プーチン氏は昨年12月にも同様の発言をしている。

さらに「米国の優先事項はロシア封じで、ウクライナの安全保障は二の次だ。米国にとってウクライナは目的達成のための道具だ」と主張。米国はロシアとウクライナが戦争をするように仕向け、対露制裁などを発動する口実にしようとしている-などとも述べた。

プーチン氏は、こうしたシナリオが現実化してNATOとロシアとの戦争が起きないようにするためには、ロシアの要求に基づく相互安全保障の確立が必要だと指摘。要求は加盟国間の包括的な安全保障を定めた欧州安全保障協力機構(OSCE)の基準に照らして正当だとも主張している。

米国やNATOはロシアの軍事的威嚇を批判し、「NATO不拡大」の要求には応じないと明言。ただ、兵器配備の制限などに関しては交渉の用意があるとしている。

ロシアは従来、要求が拒否された場合は交渉を打ち切る可能性を示唆し、「軍事技術的な措置」を取ると警告してきた。だが、現時点では欧米側を批判しつつも交渉を継続する構えだ。ロシアは、クリミアや親露派支配地域の喪失につながるNATO兵器のウクライナへの配備制限や、両者の軍事協力の制限などを現実的な戦略目標に据えている可能性がある。ただ、ウクライナ東部紛争の激化などを口実に介入に踏み切る恐れは排除されていない。


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