自宅にいながら“絶景”を疾走 コロナ禍で注目「バーチャルサイクリング」の没入感がすごい

    長引く新型コロナウイルス禍の影響で、自宅にいながらロードバイクで実際に現地を疾走しているような感覚が得られるという「バーチャルサイクリング」に注目が集まっている。大分県佐伯市は4日、バーチャルサイクリングアプリを活用した「バーチャル・ツール・ド・佐伯」を23日に初めて開催すると発表した。実際に撮影したコースをAR化(拡張現実処理)した映像を見ながらペダルをこぎ、まるで現地を走っているかのような没入感を楽しめるという。スマートトレーナーという機材とインターネット環境があれば誰でも無料で参加できるといい、国内外から参加者を募っている。

    オンラインレースは、海岸線に絶景が広がる「ツール・ド・佐伯」のコースの一部をAR(拡張現実)化して行われる(大分県佐伯市提供)
    オンラインレースは、海岸線に絶景が広がる「ツール・ド・佐伯」のコースの一部をAR(拡張現実)化して行われる(大分県佐伯市提供)

    「ツール・ド・佐伯」のコースをAR化

    サイクリングが盛んな街として知られる佐伯市では、美しい風景が広がるサイクリングコースを舞台に「ツール・ド・佐伯」というライドイベントを毎年秋に開催してきたが、今年度はコロナ禍で中止に追い込まれていた。そこで、実際に撮影した「ツール・ド・佐伯」のコースの一部を舞台にオンラインレースを開催することにしたという。地域の魅力をオンラインで国内外に発信し、アフターコロナの誘客増加につなげる狙いもある。

    バーチャルサイクリングは、スタンドに固定したロードバイクの後輪にスマートトレーナーという機材を接続。ペダルを回したパワーの値を検知させ、あらかじめ入力した自分の体重と掛け合わせて、画面の中の自分が前に進む仕組みになっている。GPSデータから取得した勾配もリアルに表現し、上り坂ではペダルが重く、下り坂では軽くなる。実際に撮影したコースをAR化(拡張現実処理)した映像を見ながらペダルをこぐため、まるで現地を走っているかのような没入感を得ることができるのが特徴だ。

    コロナ禍でも安全にサイクリングができ、世界中のコースを楽しめるほか、世界中のユーザーたちと一緒にオンラインレースに参加することも可能。サイクリングのニュースタンダードとして、社会のデジタル化とコロナ禍で、利用者が拡大しているようだ。

    今回のレースは、チェコの会社が開発した「ROUVY」(ルービー)というサイクリングアプリを活用する。レース参加者全員がアバター(自分の分身)で画面上に登場するため、抜いたり、抜かれたりといった場面も演出され、レース参加者だけでなく、ライブ配信の視聴者も臨場感あふれるレースを楽しむことができるのだという。

    イベントでは台湾のインフルエンサーをアンバサダーとして起用。音声翻訳アプリ「はなして翻訳」などの翻訳ソリューションを手がけるNTTドコモの協力で、最新の翻訳システムを導入して中国語(繁体字)の字幕を付けてライブ配信も実施する。「サイクリング大国」として知られる台湾の人々へ訴求し、「アフターコロナ」のインバウンド需要の喚起も目指すとしている。


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