ベンチャー企業「アシスト」 リユース隠れ需要、ITで掘り起こし

    国内最大級のリユース(中古)事業者間取引の場(プラットフォーム)をつくると意気込むベンチャー企業が現れた。大型家電を市場価格に合わせて買い取るサービスを始めたアシスト(横浜市港北区)だ。再利用価値の高い商品をそろえることで事業者に参加を促す。扱う製品も家電にとどまらず順次追加し、リユース市場の拡大と循環型社会の実現に貢献する。

    買い取ったリユース家電が並ぶアシストの相模原リユースセンター=相模原市中央区(同社提供)
    買い取ったリユース家電が並ぶアシストの相模原リユースセンター=相模原市中央区(同社提供)

    買い取りサービス「下取りチェッカー」は、同社が運営するプラットフォーム「クシリキマーケット」の魅力を高めるため始めた。

    無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使って買い取り価格を提示する。新しい家電への買い替えを検討する消費者は誰でも簡単に調べられ、買い取り対象外の商品もあるが、納得する価格で引きとってもらえる。

    アシストの「下取りチェッカー」画面を見ながら冷蔵庫の型式などを調べる女性(同社提供)
    アシストの「下取りチェッカー」画面を見ながら冷蔵庫の型式などを調べる女性(同社提供)

    大手と提携、リサイクル料金が不要に

    第1弾として家電量販店大手のノジマと昨年12月に業務提携した。下取りチェッカーを利用してノジマでテレビなど大型家電を買い替えると、これまで使用してきた家電はアシストが型式や状態から判定した価格でリユース品として買い取る。通常かかるリサイクル料金が不要になる。購入した家電の納品時に引き取り、検品後に代金が振り込まれる。

    「ノジマはちゃんと買い取ってくれる」と利用者の評価も高く、テレビと洗濯機のアシストへの入荷率は同9~11月の試験期間に比べ15%ほど高まった。「ノジマで買い替える」という集客効果が期待できる。

    アシストの西川心二代表取締役は「手間がかからず、お得に買い替えたいというニーズに訴求できており、下取りチェッカーの利用者は着実に増えていく」と手応えを口にする。

    現状はテレビ、中・大型冷蔵庫、ドラム式洗濯機の3種類だが、今月中旬からブルーレイレコーダーを追加。4月以降は随時、ゲーム機やパソコン、電子レンジなど家電全般に広げていく。

    家電はノジマとの独占契約だが、自転車や楽器、家具など他ジャンルは提携先を開拓する。下取りチェッカーの利用機会を増やすことで、消費者に「買い替える前に下取りチェッカー(で下取り価格を調査)」という使い方を浸透させるとともに、下取りチェッカーの提携店で買い替える利用者を増やす。

    古い商習慣、廃棄からリユースの流れを

    買い替えサイクルも早まることで、再利用価値の高いリユース品がアシストに集まる。クシリキマーケットに参加する事業者は魅力的な製品を調達・流通することができる。これによりプラットフォームとしての地位を確立、国内最大級を目指す。

    下取りチェッカーによるサービスを本格的に始めた令和4年のクシリキマーケットの流通額は1億円(事業者との直接取引とあわせた総流通額は8億円)を目指す。西川氏は「価値あるモノでもリユースしないと廃棄される。一方でリユース品を利用する若者は増えており、リユースのポテンシャルは大きい」と予想、12年には10億~15億円(同100億円)まで引き上げる考え。「廃棄からリユース」の流れをつくり、持続可能な循環型社会の形成に寄与する。

    リユース事業者が売買する古物市場は地域のリサイクルショップなどが集まって、倉庫内で出品されている商品を競る旧来型の取引が主流。こうした古い商習慣が残るため、家電の小売市場が約7兆円といわれる中、リユース市場は2300億円強にとどまっているといわれる。

    そこで同社は平成30年に古物市場のIT化を目指してクシリキマーケットを開設。事業者間取引を活発化させ、魅力的な商品をリユース市場に流通させる取り組みを始めた。(松岡健夫)


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