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【ロンドンの甃】自由を奪うワクチン格差

先週、東南アジアに住む新型コロナウイルスの専門家の男性に電話取材する機会があった。男性は新型コロナの行動規制の緩和を進める欧州諸国については率直な意見を述べていたが、筆者が中国の「ゼロコロナ」政策に話題を移すと急に歯切れが悪くなった。

北京で、新型コロナウイルスワクチンの追加接種を呼び掛ける看板(三塚聖平撮影)
北京で、新型コロナウイルスワクチンの追加接種を呼び掛ける看板(三塚聖平撮影)

「中国政府はよくやっているよ」「北京五輪も特に心配ないだろう」

北京冬季五輪の開催前に中国のコロナ対策の課題などについて忌憚(きたん)のない意見を聞いておきたかったが、やっと出てきた発言も曖昧な表現で中国の政策を褒めるだけだった。

別の公衆衛生の専門家にこのことを話すと、彼は「下手に意見を言って中国を批判したととられるのを恐れたんじゃないかな」と推察した。東南アジアの一部の国では、中国が提供したワクチンの恩恵を受けた影響で、中国の批判を避ける専門家もいるという。

この公衆衛生の専門家は「ワクチン不足に苦しむ途上国は与えてくれた国に感謝して、誰もが批判しづらくなる」と話した。「ワクチン外交」が専門家の意見にまで影響する可能性があることに驚いた。

世界保健機関(WHO)によると、80以上の加盟国がワクチン接種率4割を達成できていない。格差を解消しなければ、言論の自由を損なうリスクが高まると実感した。 (板東和正)


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