「借りて住む」なら本厚木だが、「買う」ならやっぱり都心 住みたい街ランキング“下剋上”

    不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」を運営するLIFULL(ライフル)が2022年の首都圏版「住みたい街(駅)ランキング」を発表した。「借りて住みたい街」では2020年9月に公表された新型コロナウイルス禍での緊急調査で、それまで4年連続1位だった池袋(東京都豊島区)が5位に陥落。代わりに本厚木(神奈川県厚木市)が一気にトップへ躍進し、“下剋上”ともいえる衝撃的な結果は「なんで本厚木!?」などと話題になった。コロナ禍で勢力図が大きく塗り替えられ、まさに戦国時代の様相の「住みたい街ランキング」。今年はどんな街がランクインしたのか。

    「コロナ禍での借りて住みたい街ランキング」で上位にランクインした街は、いずれも乗り換えなしで都心にアクセスが可能で、通勤・通学に便利という特徴がある(ライフル調べ)
    「コロナ禍での借りて住みたい街ランキング」で上位にランクインした街は、いずれも乗り換えなしで都心にアクセスが可能で、通勤・通学に便利という特徴がある(ライフル調べ)

    「共働きで子育てしやすい」本厚木

    ライフルによると、「借りて住みたい街」ランキングでは2022年もトップは本厚木だった。一過性の人気ではなかったことは2年連続で1位をキープしたことでも明らかだろう。2位はさいたま市大宮区の「大宮」(前回2位)、3位は千葉県柏市の「柏」(同9位)。以下、4位が東京都八王子市の「八王子」(同4位)、5位に埼玉県川口市の「西川口」(同12位)がランクインした。ベスト10はほぼ準近郊・郊外の駅で占められている。

    上位にランクインした街には共通した特徴がある。乗り換えなしで都心にアクセスが可能で、落ち着いた居住環境の郊外でありながら通勤・通学に便利という点だ。生活の利便性を確保しつつ、家賃相場が手ごろな郊外。その象徴が本厚木ということか。

    本厚木は神奈川県央部のベッドタウン。新宿までは小田急線の快速急行で約50分の距離だ。東京メトロ千代田線に直通する本厚木始発の通勤準急も朝の通勤時間帯に設定されている。快速急行や急行に比べ所要時間は多少かかるものの始発駅なので必ず座ることができる。本厚木に停車する特急ロマンスカーを利用すれば、快適な通勤・通学も可能だ。

    周辺には大学も多く「学生の街」としても知られている。決して大都会ではないが、駅前には映画館も備えた商業施設が立ち並ぶ。市内には都心から最も近い温泉地といわれる「七沢温泉」も。全国有数のアユ釣りスポットとして知られる相模川が流れ、ピラミッド型の美しい山容を誇る大山(1252メートル)を見ながら四季の移ろいを感じることだってできる。自然環境は申し分ない。

    それだけではない。厚木市は日経xwoman(クロスウーマン)と日本経済新聞社が調査した「共働き子育てしやすい街ランキング2021」でも全国5位にランクインしている。待機児童解消のための取り組みや未就学児のいる世帯へのサービス拡充など、子育て支援の手厚さが評価されているようだ。それでいて家賃相場は1LDKで平均7万663円と都心に比べるとかなりリーズナブル。都心へのアクセスが良く、緑の多い環境、充実した行政サービスを期待できるという点が人気を押し上げているようだ。ちなみに、本厚木は「買って住みたい街」ランキングでも5位にランクインしている。


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