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「ビクトリア女王に勝る偉業」 英女王元報道官が秘話明かす

【ロンドン=板東和正】エリザベス女王(95)の報道官を務めたディッキー・アービター氏(81)が産経新聞のオンライン取材に応じ、在位70年を迎えた女王について「王室での自らの役割を時代に合わせて発展させ、第二次大戦後の君主のあり方を70年の治世を通じて示した」とたたえた。世界が急速に変貌した20、21世紀に王室を存続させた功績を、大英帝国繁栄の象徴である高祖母のビクトリア女王らに勝る「大変な偉業だ」と評価した。

ディッキー・アービター氏(提供写真)
ディッキー・アービター氏(提供写真)

アービター氏は、戦後、王室に対する国民の無条件の敬意が衰退したとして「エリザべス女王は国民の支持なくして君主制が成り立たないことを理解し、国民の信頼を得るように努めてきた」と指摘。女王が1957年にクリスマスメッセージをテレビ放送で初めて実施したことや、93年から納税を開始したことなどに触れ、「国民に親しまれる王室を実現するため、女王としての役割や存在を近代化させた」と述べた。

新型コロナウイルス禍では、公務にビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を積極的に活用しているとし、「最新のテクノロジーを貪欲に学び、21世紀に適応した女王の在り方を追求している」と話した。

また、アービター氏は「女王は外交文書を閲覧し、首相と定期的な話し合いを持つことで内外情勢を把握してきた」と回顧。毎日、300~400枚の国民からの手紙も全て目を通し、「政治や外交、国民と絶えず密接につながってきた」との見解を示した。

「コモンウェルス(英連邦)」の首長としての顔も持つ女王について、「恐らく世界で最も学識があり、情報量や洞察力で(英連邦の)政治家を上回っている」と分析。新型コロナ禍では英国での状況を詳しく知るために「ジョンソン英首相と毎週のように電話で連絡を取り合っていた」と述べた。

また、「女王は政治に積極的に参加することは許されず、国の政策には関与していない」とした上で、英連邦の多くの問題を解決に導く「触媒の役割を果たしてきた」と指摘。「女王は英連邦の各政府の首脳間で意見の相違があった場合、首脳と個別に話し合い、解決に向かわせる手助けをした」と明かした。

女王は各国首脳に水面下で働きかけ、南アフリカのネルソン・マンデラ氏の釈放やアパルトヘイト廃止などに貢献したとされている。

他方、アービター氏は、女王が片付けや食事の後の皿洗いを自ら行っていた日常を振り返り、「普通で地に足のついた女性だ」と話した。

ディッキー・アービター氏 1988~2000年にエリザベス女王の報道官を務めた。女王の長男、チャールズ皇太子や、故ダイアナ元妃とも交流があった。現在は、豊富な知識を持つ英王室の専門家として活躍している。81歳。


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