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露、軍事演習で実効支配誇示 対米最前線も

ロシアは不法占拠する北方領土での軍事活動を活発化させている。高性能のミサイルに加え、最先端の電子戦を想定した部隊を既に配備したとみられ、軍備強化は如実だ。北方領土の実効支配を誇示する中、日本と同盟関係にある米国を意識した動向もあり、さらに先鋭化する恐れもある。

北方領土の択捉島で展示された地対艦ミサイル「バスチオン」=2021年5月9日(島民提供・共同)
北方領土の択捉島で展示された地対艦ミサイル「バスチオン」=2021年5月9日(島民提供・共同)

ロシアは「北方領土の日」の7日から北方四島を含む海域でミサイル発射訓練を行うと通告。さらに、8日から国後(くなしり)島南東の海域で射撃訓練を実施するとしており、松野博一官房長官は7日の記者会見で、外交ルートを通じてロシアに抗議したとして、「ロシアの軍備強化はわが国の立場と相いれず、受け入れられない」と強調した。

ロシアは北方領土で定期的に軍事演習を行ってきたが、昨年後半からほぼ毎月のように実施している。政府関係者は「実戦能力を高め、象徴的な意味でも軍事活動を繰り返している可能性がある」と分析する。

ロシアは昨年までに択捉(えとろふ)島と国後島に高性能の地対空ミサイルや新型戦闘機などを配備。また、ウクライナの紛争などで威力を発揮した最新の電子戦に対応するシステムを駐留部隊に実装したとされる。

昨年6月からは北方領土周辺で局地的な射撃や爆撃、ミサイル発射訓練を毎月のように実施し、大規模な部隊を投入した演習も行った。ロシアは一昨年の憲法改正で「領土の割譲禁止」と明記し、領土問題で日本に譲歩しない姿勢を誇示した。さらに、北方領土を米国に対抗するための最前線と位置づけている節もある。

昨年6月に択捉、国後両島などで行った大規模演習はアジア太平洋地域での総合軍事演習の一環で、2つの対立した「国家集合体」による紛争をシミュレーションした。ロシアや中国、日本や米国の2陣営に分け、一方が島に上陸したとの想定だ。

ウクライナで軍事的緊張が高まる中、日本政府関係者は「ロシアは米国を牽制(けんせい)するため、太平洋側で行動を加速する恐れがある。太平洋につながる日本海、北方領土は緊張の最前線になるかもしれない」と指摘する。(中村昌史)


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