和歌山県は7日、誘致を進めているカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の区域整備計画案を県議会の特別委員会で正式に公表した。計画案についてのパブリックコメント(意見公募)を9日から、県民への公聴会(説明会)を3月から実施した上で整備計画を完成させ、期限の4月28日までに国に申請する。
県はIRの事業者にカナダのクレアベスト・グループを選んでいる。
計画案によると、クレアベスト・グループや米カジノ大手シーザーズ・エンターテインメントなどが出資し、運営会社「和歌山IR株式会社」(仮称)を設立。国内からも大手ゼネコン西松建設などが出資に加わる。初期投資として必要な約4700億円については、約3割に運営会社の自己資金を充て、残りはスイスの金融大手クレディ・スイスを通じて国内外の金融機関から借り入れるとした。
この計画案に対するパブリックコメントは、今月9日から3月10日まで実施。公聴会は3月初旬から県内の少なくとも3カ所で開催する予定。IRは和歌山市の人工島「和歌山マリーナシティ」に誘致する予定で、同市や県議会の承認を経て国に整備計画を申請する。
IRの誘致自治体は、和歌山県のほか大阪府・大阪市と長崎県があり、国は最大3カ所を選ぶ。