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リスクを負った蔡英文政権 野党は「暗黒の一日」と批判

【台北=矢板明夫】台湾の蔡英文政権は8日、福島県など5県の食品の輸入解禁に踏み切った。日台間に横たわる最大の問題を解消した形だが、最大野党、中国国民党の猛反発は必至。秋の統一選挙に向けて政権批判キャンペーンを展開するとみられ、蔡政権にとっては大きな政治的リスクを背負ったともいえる。

台湾の蔡英文総統(総統府提供・共同)
台湾の蔡英文総統(総統府提供・共同)

近年、日台関係は非常に良好だが、日本の食品の輸入問題については、「食の安全」への懸念から台湾の世論は必ずしも全面支持しているわけではない。2018年に行われた住民投票では、輸入反対が圧倒的多数を占めている。

それにもかかわらず、蔡政権がこの時期に解禁を決断した背景には、2つの理由があると考えられる。

まずは、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への加盟問題だ。台湾は昨年9月にTPPへの加盟を申請したが、現在のメンバー国は全て日本の食品を受け入れており、台湾が輸入を禁止したまま交渉を開始すれば、不利になるとみられていた。8日の解禁会見に臨んだ台湾の当局者たちも、TPP加盟問題との関係を認めていた。

もう一つの理由は、日中両国の接近への警戒だ。今年は日中国交正常化50年という節目の年で、中国は対日関係強化に乗り出しており、秋の習近平国家主席の訪日も取り沙汰されている。現在、日本食品の輸入を全面的に禁止しているのは中国と台湾だけで、蔡政権は中国より先に日本食品の輸入問題を解決することで、日本を台湾側に引き付けておきたい思惑もある。

一方、中国国民党は8日、「台湾の食の安全にとって最も暗黒な一日だ」と批判。同党の立法委員(国会議員に相当)は「TPPに加盟できる保証もないのに日本に大きく譲歩したのは屈辱的だ」と非難した。


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