COVID-19を契機に「社会/経済/環境」「個人の価値観」「テクノロジー」を巡る動きが加速

    デロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)です。当社はベンチャー企業の支援を中心に事業を展開しており、木曜日の朝7時から「Morning Pitch(モーニングピッチ)」というイベントを東京・大手町で開催しています。毎週5社のベンチャーが大企業の新規事業担当者や投資家らを前にプレゼンテーションを行うことで、イノベーションの創出につなげることを狙いとしています。

    モーニングピッチでは毎回テーマを設定しており、それに沿ったベンチャーが登場します。ピッチで取り上げたテーマと登壇ベンチャーを紹介し、日本のイノベーションに資する情報を発信する本連載。今回はニューライフスタイルです。

    生活の構成要素を住み方や食・健康など5つに分類

    ライフスタイルの定義は幅広く、人々の生活すべてを対象とする包含的なキーワードです。今回は、特に新しい変化が起きている生活の構成要素を(1)住み方(2)働き方(3)食・健康(4)消費の仕方(5)交流・娯楽-という5つに分類しフォーカスしました。

    COVID-19を契機に住み方・働き方を見直し、食・健康と、よりスマートな消費スタイルを追求する動きが活発です。また、オンライン交流が垣根を越えて行われメタバース(仮想空間)時代が到来している点を踏まえ、こうした分類を行いました。

    ここで、各時代によってライフスタイルが変化する基本要因とは何かを整理してみます。

    生活は次世代型へと急速にシフト

    ベースとなっているのは「社会/経済/環境」「個人の価値観」「テクノロジー」で、われわれの生活に大きな影響を及ぼすと考えられています。

    例えば社会/経済/環境の領域では超高齢化社会の進展や世界情勢の不安、気候変動・パンデミックなど不確実性が進んでいます。個人の価値観については多様化が進み、組織所属型から個人自立主義・自由化へのシフトや、LGBTなど個性を理解しようとする動きが加速しています。DXやAI、IoTによる効率化や省人化、5Gによるデジタルインフラの整備など、テクノロジーは劇的に進化している状況にあります。こうした潮流が、私たちの生活を次世代型へと変化させています。

    ライフスタイルの変化を促す3つの基本要因がベースとなり、生活を構成する5要素との組み合わせによって、現代を反映する新たなライフスタイル関連のビジネスが、ベンチャー企業の間から相次いで出現しています。

    花に関心がなかった顧客層をDX化によって安定的に取り込む

    「社会/経済/環境」と「テクノロジー」に「住み方」、「消費の仕方」を掛け合わせることで誕生したのは、週替わりで季節の花が自宅のポストに届くサブスクリプションサービス「bloomee(ブルーミー)」です。提供しているベンチャーはユーザーライク(旧Crunch Style)で、COVID-19による巣籠もり消費の活性化を背景に、花を飾ったことがないユーザー層をDXによって安定的に取り込んでいます。会員数は10万世帯を超え、累計資金調達額は40億円に達しました。店舗販売以外で販路を拡大できるため、花卉業界の救世主として注目を集めており、花以外の分野での事業展開も視野に入れています。

    大手小売店との連携によって一気に顧客層を拡大

    パーソナライズ型のヘアケア・スキンケアブランドを展開するSpartyとロフトや東急ハンズの提携は、「個人の価値観」と「テクノロジー」に「消費の仕方」と「健康」を組み合わせた協業事例のひとつといえるでしょう。Spartyはオンライン上のカウンセリングを通じ、5万通りの組み合わせから提案を行い自宅に届く定期便サービスを提供していました。すでに40万人の会員が登録していますが、大手小売店との連携によって一気に顧客層の拡大を図ります。

    「個人の価値観」と「テクノロジー」をベースにした、「働き方」の新しい事例を紹介します。


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