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「Yogibo(ヨギボー)」日本代理店が米国本社を買った“成功”の方程式

「快適で動けなくなる魔法のソファ」と謳う、いわゆる「人をダメにする」系ビーズソファのYogibo(ヨギボー)が活発です。なんと日本総代理店の権利を持つ法人が、米ニューハンプシャー州のYogiboLLC.を買収してしまったそうです。

この日本法人がブランド発祥の本家筋にあたる米国本社を買いとってグローバルでの経営権まで掌握してしまうパターン、かつてセブンイレブンの事例でびっくりした記憶があります。当然日本市場での“成功“、というレベルを超えた“大成功”がなければ通常ありえないことでもあり、そのブランドやビジネスモデルが持つ潜在力を最大水準で引き出したもののみがなし得る荒技と言えます。

原色バリエーションをあえて押し出すインパクト(写真筆者)
原色バリエーションをあえて押し出すインパクト(写真筆者)

そういえば、ショッピングセンターなどで大きなビニールに買ったばかりのYogiboを抱えて持ち帰る人の姿を最近良く見かける気がしますが、すでに日本国内86店舗(2021年12月現在)展開されているということ。特徴的な原色の色遣いが特徴の製品だけによく目立ちます。狙い通りでしょうが、その大きさと派手な原色遣いをあえて見せる透明なビニールのショッパーの宣伝効果は抜群です。

もちろん買った人にとっても、家具にもかかわらずそのまま持ち帰りその日から使えるという、軽いビーズ製ゆえのベネフィットがあるわけですから、多少のマーケティング活動への貢献はお安い御用なのかもしれません。

日本での家具商売の難しさは鬼門レベル

それにしても本来日本の家具市場というのは一筋縄でいかないことで知られています。目立つところでは一時は隆々としていた大塚家具の大失速劇も記憶に新しく、あのIKEAでさえ日本市場への展開では当初の見込みとは、ほど遠いペースを余儀なくされています。そもそも百貨店から家具売り場が消えて随分時間が経っています。わずかにSPA(製造小売業)的な業態としてニトリが存在感を出しているぐらいでしょうか。

東京で言えば青山や麻布などに集積している輸入本格家具屋なども出入りが激しく、ここ数年でも最高級輸入家具で有名なサァラ麻布が閉店を余儀なくされています。

広大な販売スペース、膨大なバリエーション、多数の在庫が必要で、単価も高い家具ビジネスは鬼門になりやすい難しい商売に違いありません。

そんな家具事業の難しさを、生活者視点で考えれば、そもそも「何をどう買って良いかわからない」という“インサイト”、つまり購入者としての深層心理が底流としてあるように思います。

江戸時代までに完成された、独自の畳敷きや床座で一貫していた生活空間から、明治以降徐々に洋式の文化が輸入され、戦後の高度成長期に一期に洋風の生活空間に移行した日本。

集合住宅一つ見ても、昭和までは当たり前だったマンションに一部屋は和室という“和洋折衷”最後の砦であったルームプランの不文律さえ最近の新築マンションからほとんど姿を消しつつあるのです。

そんな一見生活空間まるごと洋風化したように見える日本ですが、やはりせいぜい二、三世代で、その生活スタイルがガラリと変わるわけではなく、玄関では靴も脱ぐし、食事をすればソファに座るよりも、それを背もたれに床にべったり座りたくなるのが人情だったりもします。

そもそも日本の広くはない住宅面積と高くもない天井高は、本格的な西洋家具を置く空間を想定していません。和風建築のモジュールを側だけ残したまま、そこに洋風のソファやベッドの立て付けを無理やり詰め込んだようなちぐはぐさがあるように思うのです。

逆に言えば日本向けに西洋家具のサイズ感などをカスタマイズしているニトリなどが受け入れられている要因でもあります。


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