堺出身の茶人、千利休と畿内を支配した戦国武将、三好長慶の生誕500年を記念し、2人の肖像画を西陣美術織で再現した掛け軸が、ゆかりがある堺市堺区の南宗寺に寄贈された。11~13日、同区の「さかい利晶の杜」で公開される。
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11~13日に一般公開
ともに大永2(1522)年生まれとされ、南宗寺は長慶が父、元長の菩提を弔うために堺に建立し、利休が修行したと伝わる。節目の年を機に、市内で呉服店を営む増谷保さんや西陣織国際美術館(京都市上京区)の蔦田文男館長が、肖像画をもとにした西陣美術織の作製を企画した。
精緻に再現された織物はいずれも縦糸に2700本、横糸に1万2千本を使用。元の絵の細かな筆遣いを感じさせ、ところどころに金糸を配し、西陣織らしい華やかな印象を与える。
南宗寺で8日、寄贈式が行われ、蔦田さんは「西陣織の匠の技を少しでも残そうと一生懸命に取り組んだ。写真や絵と違い、色あせることはない」と強調。同寺の田島碩應老師は「利休居士と長慶公は堺から大成した2人。(掛け軸は)本当にありがたく、大切にしていきたい」と述べた。