クラウドソーシングは支払調書の発行は受注者が必要に応じて、依頼者に依頼するよう記載があります。これでは誰も依頼しようと思わないでしょうから、国税庁での課税対象の把握は困難になります。このような実態ですから、国税庁側からクラウドソーシングのプラットフォーマーが責任をもって源泉徴収や支払調書の対応をするよう指示があれば状況は改善されるでしょう。クラウドソーシングは新興市場に上場していますから、このような状態を放置するのは社会的に問題がありそうです。
筆者は個人的に、手続きが煩雑な源泉徴収制度は廃止したほうがよいと考えているので、プラットフォーマーが責任をもって支払調書に準ずる明細を国税庁に提出するだけで足りるのではないかと考えています。またクラウドワーカーは個人であればマイナンバーの登録を必須にする必要があるでしょう。匿名でも働けると考えていたのに、マイナンバーや本名、住所を知らせなければならないとしたら、自ら支払調書の発行を求める人は出にくいはずです。
最も悪質な無申告業者とは
無申告とは、確定申告すらしないことを表します。副業収入が少なく、単純に必要がないと考えている人もいるでしょう。かつて、不動産収入を一度も確定申告したことが無いという人に会ったことがあります。冗談だったのかもしれませんが、賃貸規模が小さければありえるのかもしれません。
税務調査があり、申告漏れや無申告が確定した場合は、通常の税額に加えて懲罰的な徴税が行われます。過少申告加算税、無申告加算税、重加算税などがあり、5~40%税額が上乗せされます。
所得が多い人ほど、申告漏れや無申告の誘引が強まりますが、実際は加算税と延滞税があるため、所得のほとんどを徴税されるケースもあります。申告を逃れようとするメリットは無いと考えたほうがいいでしょう。
最近では、パパ活やギャラ飲みと呼ばれる収入の得方もあるようですが、こちらも確定申告が必要です。
所得漏れが多い10業種とは?
最後に、国税庁が公開している事業所得の申告漏れ上位10業種をお伝えします。
■申告漏れの順位と1件あたりの金額
1位プログラマー 4,927万円
2位畜産農業 3,515万円
3位内科医 3,339万円
4位キャバクラ 2,834万円
5位太陽光発電 2,603万円
6位建築士 2,325万円
7位経営コンサルタント2,268万円
8位小売業・犬 2,051万円
9位不動産代理仲介 1,804万円
10位商工業デザイナー 1,759万円
推測の域を出ませんが、バックマージン、裏金、謝礼、などの名目でお金が動いているのでしょう。例年上位の風俗はコロナの影響で上位から転落した模様です。
所得は収入から経費を控除した利益に該当する金額です。こんなに稼いでいるの?と感じたのは、筆者だけでしょうか?