蘇ったキューピッド、東京でベールを脱ぐ-。日独交流160年を記念した「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」(産経新聞社など主催)が10日から、東京・上野公園の東京都美術館で開催される。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、19日遅れでの開幕。9日、報道関係者向け内覧会が開かれた。
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ドイツのドレスデン国立古典絵画館が誇るコレクションから、オランダ絵画黄金期を彩ったレンブラントやファン・ライスダール、メツーらの約70点を紹介。特に注目されるのは17世紀オランダの画家、ヨハネス・フェルメールの初期の傑作「窓辺で手紙を読む女」だ。1979年のX線調査で背景の壁にキューピッドの画中画が隠されていることは分かっていたが、画家自身が塗り潰したと長年考えられてきた。
ところが2017年、大規模修復に伴う調査により、画家の死後に何者かが上塗りで消したことが判明。約4年に及ぶ修復作業を経て昨年、同作品がドレスデン国立古典絵画館で公開されると、世界中の専門家や美術ファンに衝撃が走った。フェルメールが描いた〝本来の姿〟の公開は、所蔵館を除いて本展が世界初となる。
この日は、本展ナビゲーターを務める女優の小芝風花さん(24)も会場を訪れ、「絵が繊細で、色も鮮やか。キューピッドがカーテンを引いて、手紙を読む女性の姿を私たちに見せてくれているようですね」と感激の様子。キューピッドが象徴する「愛」によって女性がラブレターを読んでいることも視覚的に明確になり、「修復前の絵も余白があり趣がありますが、フェルメール自身が本当に描きたかったものについて考えるのもすてき」と話していた。
4月3日まで。その後、北海道立近代美術館、大阪市立美術館、宮城県美術館に巡回予定。
フェルメール展情報