--新3カ年中期経営計画のスタートの年だ
「メリハリをつけて成長を目指す。これまでは成熟市場での挽回を図ってきたが、やめるものはやめて成長領域にシフトし、社内の経営資源を投入する。日本や東南アジアの生産体制を見直し、世界生産を最適化する。事業成長、構造改革を含めた基盤強化に加えてサステナビリティー(持続可能性)も重要なテーマとなる」
--先進国市場の二輪事業の黒字化のめどは
「令和3年は供給網の混乱がなければ黒字化を達成できたと思う。4年は為替がよほど円高にならない限り黒字化を達成できる見通しだ。売上高経常利益率(ROS)も高めていきたい」
--32(2050)年に二輪車販売台数の90%を電動化する目標を掲げる
「排気量125cc相当の電動バイクを春には市場へ投入したい。スロットルを操作したときの加速の良さ、人間の感性にフィットした加減速が魅力だ。電動車技術のレベルを示す時期が来ている。欧州を皮切りに日本、中国などに順次投入していく」
--水素エンジンの開発スケジュールは
「12年がめどをつけるギリギリの時期だ。それまでに技術開発を進めて投入できるようにし、32年にはラインアップをそろえてガソリン車と入れ替える。内燃機関にとって水素は難しい燃料だが、技術課題を解決すれば、他の燃料への対応も楽になる」
(宇野貴文、写真も)
ひだか・よしひろ 名大法卒。昭和62年ヤマハ発動機入社。主に二輪車の販売に従事後、企画・財務本部長などを経て、平成30年1月から現職。愛知県出身。