トラブルが起きた際に企業が消費者に送る「お詫びの品」について、送る側と受け取る側の考えが大きくずれていることが分かった。調査によると、個人情報が漏洩(ろうえい)したとき消費者が企業を「許せる」金額、または金券や品物の相当額は5000円(中央値、以下同)だったが、実際に受けとったのは500円だったという。
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プリペイドカード大手クオカードは、顧客に謝罪したことがある全国のビジネスパーソン200人と、企業から謝罪されたことがある一般消費者200人を対象にインターネット調査を実施した。ビジネスパーソンの71.5%が直近の10年間で顧客に謝罪する回数が増えたと回答しており、企業が謝罪する機会が増えていることがうかがえる。
企業から謝罪を受けた理由を消費者に聞くと「個人情報の漏洩」が83.5%で際立って多く、「オンラインサービスの不具合/停止」、「商品/サービスの欠損、不具合(オンライン以外)」が7%で並んだ。
謝罪する企業からもらいたいものを消費者側に複数回答形式で質問したところ「金券(他社商品券・デジタルギフトなど)」(61.5%)、「現金」(35.5%)、「金券(自社商品券・自社クーポンなど)」(34.5%)の順に多かった。
しかし調査では、99人のビジネスパーソンたちが「他社商品(手土産、贈答品など)」(39.4%)、 「金券(自社商品券・自社クーポンなど)」(36.4%)、「自社商品」(33.3%)を送ったとしており、「お詫びの品」をめぐる両者の要望と対応にはギャップがあるようだった。
企業から受け取ったお詫びの品に満足しなかった消費者は68.0%に上った。問題となった事例ごとに、企業を「許せる」金額と実際にもらった金額とで比較したところ、個人情報の漏洩をした企業を許せるとする金額が5000円だったのに対し、もらった金額は500円で大きな差があった。また「オンラインサービスの不具合/停止」と「商品/サービスの欠損、不具合(オンライン以外)」の場合でも、企業からもらった金額が消費者が望んでいた金額を下回った。
大企業が不祥事を起こしたときに、顧客に500~1000円程度のクオカードが送られることは珍しくない。アンケートではそうした相場が回答に反映されたようだ。一方で昨年、みずほ銀行がシステム障害のお詫びで5000円分のクオカードを配布したと報じられたように、不祥事の規模によっては相場を超える額の金券が送られることもありえそうだ。