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上場企業の利益、コロナ前上回る 4~12月期 空運は低迷

新型コロナウイルス禍で落ち込んだ企業業績の回復傾向が続いている。SMBC日興証券が、東京証券取引所1部上場企業のうち9日までに令和3年4~12月期連結決算を公表した999社(金融除く全体の75・3%)を集計したところ、最終利益の合計はコロナ禍前(元年同期)に比べ32・1%増となった。海外経済回復による需要増や円安効果で製造業の業績が急拡大。ワクチン接種の広がりを受けて、非製造業もコロナ禍前の実績を上回った。

大手町周辺のビル群=東京都千代田区(本社ヘリから、佐藤徳昭撮影)
大手町周辺のビル群=東京都千代田区(本社ヘリから、佐藤徳昭撮影)

集計によると、売上高合計は元年同期に比べ1・3%減少したものの、コロナ禍で進んだコスト削減効果に加え、足元の円安により自動車などの輸出企業の収益性が大幅に改善、営業利益は14・1%増となった。

製造業では、4~12月期決算で過去最高益を達成したトヨタ自動車を含む輸送用機器の最終利益が元年同期比で22・5%増、2年同期比では2・3倍と大幅に業績改善が進んだ。自動車に使われる鋼材需要の急増を受けた鉄鋼や、旺盛なデジタル化需要を取り込んだ電気機器など幅広い業種が大きく業績を伸ばした。

一方、非製造業は、コンテナ輸送の需給逼迫(ひっぱく)に伴う運賃高騰の恩恵を受けた海運業(最終利益が元年同期比15・9倍)や、商社などの卸売業(同63・0%増)が牽引(けんいん)し、全体を押し上げた。昨年秋から12月までは国内の感染状況が落ち着いていたため、外食などサービス業や小売業がコロナ禍前の水準を超えた。

ただ、いまだコロナ禍による海外渡航制限の影響を受ける空運業は苦しい経営環境から抜け出せていない。燃料高騰により電気・ガス業は収益性の悪化も著しくなっており、製造業に比べ業績の濃淡差が強い。

足元では、原油高や円安進行による原材料価格の高騰が続いており、新型コロナウイルスのオミクロン株拡大による消費減退が懸念される。半導体などの部品不足が再び顕在化し、ウクライナ情勢の緊迫化など今後の企業業績を下押しする不安材料が散在する。

SMBC日興証券の安田光株式ストラテジストは、「原材料高が長引くことで収益性が悪化する業種もあるが、円安の恩恵を受ける業種の方が多く、全体としては増益傾向が続く」と分析。「オミクロン株感染のピークアウトがすでに鮮明化している海外同様、日本もそうなるだろう。4年度の業績で大きな影響はない」とみている。

(西村利也)


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