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出展数減少の大阪万博 国威発揚から課題解決型に

2025年大阪・関西万博にパビリオンを出展する民間企業・団体数は、6千万人超が来場した1970年の前回大阪万博より大きく減少した。関西は日本経済全体に占める域内総生産(GRP)の割合が前回万博当時の約20%から約15%にまで下がった厳しい現実がある。これを踏まえ、2025年万博では国力を誇示する〝国威発揚型〟から、少子高齢化など人類社会が直面する問題への答えを打ち出す〝課題解決型〟に変容した新たな万博の形を打ち出す。

「人類の進歩と調和」をテーマにした1970年の大阪万博では、民間企業・団体が出展したパビリオン数は28にのぼる。サンヨー館の人間洗たく機やフジパン・ロボット館の育児を行うロボット、日立グループ館のレーザーカラーテレビなど、生活の利便性を高めるための最新技術が勢ぞろいした。アジア初の万博として、日本の経済力の高まりを国内外に誇示する狙いが伺えた。

一方、2025年大阪・関西万博では民間企業・団体のパビリオン数は13にとどまった。会場面積は前回の約半分の155ヘクタールで、来場者見込みも半分以下の2820万人にとどまる。関西の財界関係者は「高度経済成長を背景に個別企業が大規模展示を行った前回とは、関西経済をめぐる状況が全く違う」と指摘する。

ただ、25年万博の企画立案に関わった大阪府立大の橋爪紳也特別教授は「30年後に世界中が少子高齢化に突入すると予想されるなか、この問題の進んでいる日本が課題解決を示し、世界に貢献する姿を見せる」ことが主目的だとし、巨大会場を設けることは重要ではないとの考えを示す。パビリオンも、規模を競うのではなく「閉幕後も部材を再利用できるようにするなど、環境への配慮に力点を置くべきだ」と強調する。

25年万博には、日本をリードする学者や文化人のプロデューサーが手がける8つの「テーマ館」も設けられる。「いのち」を多面的にとらえ、その価値を来場者に訴える内容で、関係者は「いのちの多様性を示すことができる」と期待を寄せる。

日本総合研究所の若林厚仁・関西経済研究センター長は、関西経済の地盤沈下について「製造業からサービス業にシフトする経済全体の流れの変化に乗れなかったことが要因」としたうえで、「25年万博ではバーチャル(仮想)万博や、テーマ館への技術提供など、パビリオン以外の参加方法が数多く民間企業に提示されている。これらの機会を新たな技術やサービスの開発につなげることができれば、万博が関西経済の新たな発展の契機になりうる」と指摘している。(黒川信雄)


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