証券会社は勧めないのに、日銀が大量保有するETFとは? 「金融に強いFP」が購入を提案するワケ

レバレッジ型、インバース型のETFには注意

ETFの中には「2倍」などレバレッジのついているものがあります。レバレッジとは「てこ」と訳されますが、金融業界では「借り入れをして自己資金を膨らませて投資をする方法」を指します。つまり、軽い力で重い物を動かせる「てこの原理」を使い、少ない資金で何倍もの取引をするという意味です。

たとえば、日々の日経平均の値動きに連動し、2倍の取引をするETFに投資をしたとします。前日から日経平均が5%上がったとすると10%動くことになるのです。このように、株価上昇の時に利益が出るのが「レバレッジ型」です。反対に、株価が下がった時に利益が出るものを「インバース型」といいます。

レバレッジ型もインバース型も値動きが大きくなるため、利益が大きくなる半面、損失も大きくなりますので注意が必要です。

ETFの最大の魅力は手数料の「安さ」

ETFの魅力は、何といっても信託報酬の安さです。

一般的な投資信託は、購入時と保有しているあいだ常に発生する「信託報酬」という手数料があります(解約時に手数料がかかる投資信託もあります)。信託報酬は、信託銀行や運用会社、販売会社に支払われます。一般的な投資信託は、運用会社が会社の業績など個別に調査・分析をしなければならず、どうしても信託報酬を高く設定せざるをえないのです。

信託報酬は日々精算されており、毎日発表されている投資信託の価格(基準価額)は信託報酬込みの価格なのです。ETFと一般的な投資信託の信託報酬はどのくらい違うのかというと、ETFの信託報酬は年率0.08%など1%を下回るものがあるのに対し、一般的な投資信託は3%を超えることがあります。

なぜ証券会社はETFを積極的に販売しないのか

証券会社が、一般的な投資信託に比べてETFを積極的に販売しない理由はずばり、手数料(信託報酬)の安さです。

同じ100万円の投資金額でも0.08%の信託報酬では800円にしかなりませんが、2%であれば2万円。0.08%の信託報酬で2万円分の手数料を稼ぐためには、2500万円を販売しなければなりません。証券会社は自ずと高い手数料の商品を販売してしまうのではないでしょうか。私が証券会社に勤務していた時にも、積極的な販売はしていませんでした。

さらに購入時の手数料も考慮しなければいけません。購入した年は買付手数料と信託報酬のトータルで考える必要があります。投資する側としては、手数料が2%かかれば2%を上回る成果がないと手数料に負けてしまいます。年間5%の成果があがると仮定すると、1%の手数料では差の4%分が利益になりますが、3%の手数料では2%の利益に留まってしまいます。それだけ利益に影響を及ぼしてしまうのが手数料なのです。

ETFは万能か?

実はETFにも弱点があります。長期積み立てには不向きな面もあるということです。

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