コロナ入院患者に多い高齢者 介護ケア、病院に負担

    若者らが入院患者の大半を占めた新型コロナウイルス感染「第5波」(昨年6~12月)と異なり、第6波は高齢者の割合が高い。大阪府によると、第5波で入院患者全体(調整時)の3割に満たなかった60代以上は今年1月下旬以降、8割を超えている。

    新型コロナウイルスの軽症・中等症患者を受け入れる八尾市立病院=大阪府八尾市(須谷友郁撮影)
    新型コロナウイルスの軽症・中等症患者を受け入れる八尾市立病院=大阪府八尾市(須谷友郁撮影)

    軽症・中等症患者を治療する大阪府八尾市立病院ではコロナ病床(52床)の約8割が埋まり、大半は70代以上という。病院トップの特命総長を務める佐々木洋(よう)・大阪府病院協会会長は「介護が必要な高齢患者が多く、目いっぱい受け入れるのは難しい」と明かす。

    佐々木氏によると、看護師1人が受け持つ患者はコロナ以外の一般医療で7人程度だが、コロナ治療では4人になる。高齢患者は寝たきりや認知症などで食事や排泄(はいせつ)のケア、夜間の見回りといった介護が必要になり、負担はさらに増す。

    重症患者に占める高齢者の割合も増えている。大阪府によると、80代以上の割合は第5波で6・7%、昨年3~6月の第4波で12・3%だったが、同年12月17日以降の第6波では28・9%に急増。死亡者については80代以上が約7割を占める。

    病床の逼迫(ひっぱく)が続く中、府は医療機関に対し、コロナ用に届け出ていない休止病床での受け入れを求めているが、応じるのは容易ではない。病院スタッフやその子供が感染して出勤停止となるケースが相次ぎ、人手が足りないためだ。

    佐々木氏は「感染者が多く、増加ペースが下がっても入院が必要な患者は相当数に上る。医療現場の逼迫は第5波と変わらない」と語った。

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