ウクライナのゼレンスキー大統領は12日、ロシアが数日内にウクライナへの軍事侵攻を検討しているとのバイデン米政権高官の発言や米メディアの報道について「パニックを起こす情報はわれわれの助けにならない」と述べ、危機は差し迫っていないとの認識を示した。タス通信が伝えた。
米国のブリンケン国務長官は12日のラブロフ・ロシア外相との電話会談で、ウクライナ侵攻に関する「深刻で共有された懸念」に言及。サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も11日、今月20日までの北京冬季五輪期間中にも侵攻があり得ると述べていた。
ゼレンスキー氏の発言は当事国ウクライナの危機の評価が米国側と食い違っていることを示している。ゼレンスキー氏は記者団に「(侵攻について)100パーセント確実な情報を持っている人がいたら教えてほしい。パニックは敵の役に立つだけだ」と述べ、米側主張に不快感を示した。(共同)