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コロナ禍からの業績回復に遅れ グリコ次期社長、問われる手腕

2月11日に創立100周年を迎え、社長交代のタイミングが注目されていた江崎グリコ。江崎勝久社長(80)の長男で、代表取締役専務執行役員の江崎悦朗氏(49)が3月24日付で社長に就任することが決まった。40年にわたって社長を務めてきた勝久氏は事業規模拡大に成功したが、新型コロナウイルス禍からの業績回復が遅れているとの指摘もある。原材料高などの課題も山積する中、新社長の手腕が問われることになる。

社長への就任が内定した江崎グリコの江崎悦朗・専務執行役員(同社提供)
社長への就任が内定した江崎グリコの江崎悦朗・専務執行役員(同社提供)

悦朗氏は平成28年6月から代表権も持ち、現在はマーケティングから経営企画、情報システムや人事まで幅広く担当している。29年6月には東南アジア諸国連合(ASEAN)の事業を統括する子会社「グリコアジアパシフィック」をシンガポールに設立。同社最高経営責任者(CEO)に就き、海外での事業拡大にも取り組んできた。

一方、足元における同社の業績は、行楽や訪日外国人向けのおみやげ、オフィス用の菓子に新型コロナウイルス禍が影を落とす。令和3年12月期連結決算は、売上高が前期比1・6%減の3385億円で、主力の菓子・食品が同11・3%減の791億円、冷菓は4・9%減の877億円、乳業は4・3%減の798億円といずれも減少した。

「菓子や乳業は感染拡大以前から下降ぎみで、コロナ禍が一巡し底打ちした同業他社と比べると復調に遅れがみえる」と話すのは、食品業界に詳しい岡三証券投資調査部の住母家(すもげ)学氏だ。原材料や原油価格の高騰などを背景に、商品の種類を絞り込んで販売効率を高める狙いからか「健康機能訴求の商品などに経営資源を集中するあまり、主力の菓子などでスピード感のある商品開発ができていない」とする。資源を投じた商品もグループ全体を押し上げる成果をまだ出せておらず、「中期経営計画として推し進める選択と集中がうまく機能していない」と、国内事業戦略の見直しの必要性を指摘する。

一方、メディア向けの会見などにほとんど顔を見せない悦朗氏をめぐっては、社内での功績や人柄も対外的に知られておらず、今後のかじ取りは見通せない。

菓子産業の国内市場は中長期でみると人口減少の影響から縮小に転じるとの予測もある。競合メーカーがひしめき、物流、原材料のコストの負担も上昇するなど、経営課題は山積する。次の100年へ向けた新たな成長戦略をどう描くのか、新社長の手腕が注目される。(田村慶子)


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