悪口を言ったり、ハラスメントをしたり、マウンティングをしたり……。そんな「職場のめんどくさい人」は、どのように攻撃対象を決めているのか。産業医・精神科医の井上智介さんは「いわゆる『めんどくさい人』には5パターンある。いずれのパターンでも、『いい人』ほどターゲットにされやすい」という--。※本稿は、井上智介『「あの人がいるだけで会社がしんどい……」がラクになる 職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)の一部を再編集したものです。
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(1)悪口、陰口ばかり言う人
この人たちの特徴は、「平等であることを人一倍意識している」という点です。
仕事の能力や営業成績、果ては容姿まで、何においても人より際立って優れている人が許せない。あるいは、彼らより「できない」とみなされた人にも極端な態度をとります。
皆の足並みを乱す人が許せない、皆自分と同じようにするのが当然だと考えているのです。
そのため、「あの人だけ評価されるのはずるい」「私がこれだけしんどいのだから、みんな同じ思いをするべきだ」といった考えから、「あの人は裏でこんなずるいことをしている」などと陰口をたたくことで、気に食わない人の評価を下げようとします。
さらに注意しなければならないのは、彼らはあからさまに陰口を聞かせようとするのではなく、いかにも「貴重な情報」であるかのように話してくるという点です。
このような人がいたら、決して話を鵜呑みにしてはいけません。
何においても自分と同じレベルでなければ気が済まないだけでなく、歪んだ正義感で自分自身の承認欲求を満たしている人たちだとも言えるでしょう。
(2)ことあるごとにマウンティングしてくる人
彼らは、「自分はすごい人間なんだぞ」「特別な人間なんだぞ」という自己顕示欲が抑えられずに周りにアピールしてくる人たちです。
たとえば、早稲田大学出身のこのタイプの人がいる職場に、東京大学出身の新入社員が入社してきたとします。
すると、自分よりも高い学歴を持つ新人の存在に劣等感が刺激され、追い抜かれるのではないかという不安から、自分が優れていることを見せつけるために相手を見下して傲慢(ごうまん)な態度をとる……。
これが、マウンティングをする人の典型的な行動です。なぜそんなことをするのかというと、そもそもの要因は自己愛にあります。自分自身を過大評価していたり、自分の能力を過信しているのです。
その反面、このタイプの人たちは、相手から称賛されないと自分の価値を見出すことができないという特徴も持ちあわせています。
不安と劣等感が強く、本心では傷つけられることをとても恐れているため、必要以上に周囲に自分のすごさを認めさせようとしているのです。