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田中前理事長「なぜこうなったのか」 公判で日大と決別宣言も

日本大学の取引業者から受け取ったリベート収入などを隠して所得税計約5200万円を脱税したとして、所得税法違反(過少申告)罪に問われた日大前理事長、田中英寿(ひでとし)被告(75)の初公判が15日、東京地裁(野原俊郎裁判長)で開かれた。

東京地裁に入る日本大学前理事長の田中英寿被告=2022年2月15日午後1時22分、東京都千代田区(代表撮影)
東京地裁に入る日本大学前理事長の田中英寿被告=2022年2月15日午後1時22分、東京都千代田区(代表撮影)

周りの弁護人よりもひとまわり大きい体を黒いスーツに包み、事件から初めて公の場に姿を現した田中被告。法廷では13年にわたりトップに君臨した「日大のドン」としての威厳は薄れ、反省の言葉を繰り返し述べる一方、日大との関係を断つ姿勢も示した。

「争う気はありません」「多方面に迷惑をかけたことは反省しています」

田中被告はのっそりとした足取りで東京地裁の建物に入った。法廷では故郷の津軽弁のイントネーションを残した口調で訥々(とつとつ)と話した。眼鏡をかけ、首元には日大カラーである緋色(ひいろ)のネクタイ、胸元にはサブカラーである桜色のポケットチーフがのぞいていた。

検察側は初公判で、田中被告を頂点とした日大の利権構造にも触れた。「利益が得られたのは、日大のトップである理事長で絶大な権限を有する田中被告のおかげだ」。田中被告に計7500万円を提供した籔本雅巳被告の供述調書が読み上げられた場面でも、田中被告は表情を変えず、じっと前を見据えて聞き入っていた。

一方、被告人質問では、検察官に反論する場面もみられた。検察官が「納税は国民の義務という意識はなかったのか」と質問すると、「いや、ずっとまじめにやってきましたよ」と色をなして言い返した。今後の税務申告について聞かれると、「無職ですから、そんなに収入がないので、あまり考えていません」と淡々と答えた。

昨年11月末に逮捕された後、日大の理事長や評議員の肩書を次々と離れた田中被告。検察側の被告人質問では、最後に残っていた日大OB会である校友会の会長職を辞任したことも明らかにした。

事件を受けた日大への影響などを問う検察官の質問には、反省の言葉を述べた上で「大学の発展を祈るだけです」とし、「いまは理事長ではありませんので」「もう関係したくありません」などと古巣との〝決別〟も語った。

一方、公判の最後で理事長としての社会的責任について尋ねられた際には、「なぜこうなったのか理解できないところはあります。自分なりに残念に思っています」と納得いかない様子を見せる一幕もあった。

約1時間の審理を終えると、傍聴席には目も向けずに法廷を後にした。(荒船清太、吉原実、石原颯)

日大前理事長初公判 脱税認める「争う気はありません」


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